仏教者のことば30
人のかなしみ時には擔(にな)い よろこびを人に送りて みづからをむなしくはする 女人(にょにん)われこそ観世音ぼさつ 岡本かの子・日本(岡本かの子全集・九巻)
1 ...仏教者のことば(30) 立正佼成会会長 庭野日敬 人のかなしみ時には擔(にな)い よろこびを人に送りて みづからをむなしくはする 女人(にょにん)われこそ観世音ぼさつ 岡本かの子・日本(岡本かの子全集・九巻) 観音経の好きだった人 かの子女史は、岡本太郎画伯の母堂、明治から大正にかけて傑出した歌人・随筆家・…仏教者のことば31
念仏の機に三品(ぼん)あり。上根は、妻子を帯し家に在りながら、著(じゃく)せずして往生す。 一遍上人・日本(一遍上人語録)
1 ...仏教者のことば(31) 立正佼成会会長 庭野日敬 念仏の機に三品(ぼん)あり。上根は、妻子を帯し家に在りながら、著(じゃく)せずして往生す。 一遍上人・日本(一遍上人語録) 仏法は心にあるのだ 時宗の開祖一遍上人は伊予(愛媛県)の豪族の出だけあって、どこか激しい気性を持っておられたようで、その言行には世間のおもわくなどはばからぬ、…仏教者のことば32
妄念のうちより申しいだしたる念仏は、濁(にごり)にしまぬ蓮(はちす)のごとくにして、決定(けつじょう)往生うたがいあるべからず。 恵心僧都源信・日本(横川法語)
1 ...仏教者のことば(32) 立正佼成会会長 庭野日敬 妄念のうちより申しいだしたる念仏は、濁(にごり)にしまぬ蓮(はちす)のごとくにして、決定(けつじょう)往生うたがいあるべからず。 恵心僧都源信・日本(横川法語) 母の教えにより解脱 恵心僧都(えしんそうず)源信は大和国の生まれで、十五歳以前に出家し、比叡山の横川(よかわ)で学道に精進し、…仏教者のことば33
ほんとうに正しい信仰をもって来るならば、自然と自分はどこへゆくのだと、はっきり行手(ゆくて)がわかってこなくてはならなぬ。仰ぎ、伸びる気持、「自分はあそこへゆくのだな」という、目のあいた気持です。 友松円諦・日本(法句経講義)
1 ...仏教者のことば(33) 立正佼成会会長 庭野日敬 ほんとうに正しい信仰をもって来るならば、自然と自分はどこへゆくのだと、はっきり行手(ゆくて)がわかってこなくてはならなぬ。仰ぎ、伸びる気持、「自分はあそこへゆくのだな」という、目のあいた気持です。 友松円諦・日本(法句経講義) 今また仏教再興の期 友松円諦師は、…仏教者のことば36
実際の体験ある人の書はみな読むに価いする。いわんや実際の体験による信仰を述べたものはなおさらのことである。 清沢満之・日本(近代の仏教者)
1 ...仏教者のことば(36) 立正佼成会会長 庭野日敬 実際の体験ある人の書はみな読むに価いする。いわんや実際の体験による信仰を述べたものはなおさらのことである。 清沢満之・日本(近代の仏教者) 今親鸞と呼ばれた人 清沢満之(まんし)師は明治時代に「今親鸞」と呼ばれたほど強い信念と実践に生きた素晴らしい仏教者でありました。 …仏教者のことば38
広大な宇宙と矮少(わいしょう)な自分とは、同じ一つの道、地続きだということを体得するがよい。 沢木興道・日本(禅とは何か)
1 ...仏教者のことば(38) 立正佼成会会長 庭野日敬 広大な宇宙と矮少(わいしょう)な自分とは、同じ一つの道、地続きだということを体得するがよい。 沢木興道・日本(禅とは何か) 宇宙と自分は地続き 沢木興道老師は、一生のあいだ寺も持たず、妻もめとらず、「宿なし興道」と自称していた。現代には珍しい古心の禅者でした。しかも、その講話は、…仏教者のことば39
弥陀の五劫思惟(ごこうしゆい)の願をよくよく案ずれば、ひとえに親鸞一人がためなりけり。 親鸞上人・日本(歎異抄)
1 ...仏教者のことば(39) 立正佼成会会長 庭野日敬 弥陀の五劫思惟(ごこうしゆい)の願をよくよく案ずれば、ひとえに親鸞一人がためなりけり。 親鸞上人・日本(歎異抄) 仏さまと膝をつき合わす 阿弥陀如来は、前世に法蔵菩薩として修行しておられる時代に、五劫という長い年月をかけて、…仏教者のことば41
大いなるものにいだかれあることをけさふく風のすずしさにしる 山田無文・日本(手を合わせる)
1 ...仏教者のことば(41) 立正佼成会会長 庭野日敬 大いなるものにいだかれあることをけさふく風のすずしさにしる 山田無文・日本(手を合わせる) 生きよという大きな力 前に、山田無文老師が青年時代に河口慧海師の講義を聞いて菩提心を起こされた話を書きましたが、山田青年は決意すると矢も盾もたまらず、慧海師に出家入門の嘆願書を出しました。…仏教者のことば45
片海・市河・小湊の磯のほとりにて昔見しあまのりなり。色形味わいも変らず、など我父母変らせ給いけんと、方違(かたたが)えなる恨めしさ、涙抑え難し。 日蓮聖人・日本(新尼御前御返事)
1 ...仏教者のことば(45) 立正佼成会会長 庭野日敬 片海・市河・小湊の磯のほとりにて昔見しあまのりなり。色形味わいも変らず、など我父母変らせ給いけんと、方違(かたたが)えなる恨めしさ、涙抑え難し。 日蓮聖人・日本(新尼御前御返事) 孝行の根源は「懐かしさ」に 故郷の房州からのりを身延へ贈り届けられたのに対する礼状の一節です。…仏教者のことば46
絶えず善行を行なっていると、だんだん情緒が美しくなっていって、その結果、他の情緒がよくわかるようになり、それでますます善行を行なわずにいられないようになるのである。 岡潔・日本(春宵十話)
1 ...仏教者のことば(46) 立正佼成会会長 庭野日敬 絶えず善行を行なっていると、だんだん情緒が美しくなっていって、その結果、他の情緒がよくわかるようになり、それでますます善行を行なわずにいられないようになるのである。 岡潔・日本(春宵十話) 智慧光の差し込む順序 岡潔(おか・きよし)理学博士は、文化勲章を受章した世界的な数学者ですが、…仏教者のことば47
(報身仏としては)、法身よりうけたるわれらが心識(こころ)は仏性と申して、仏になり得らるる卵にて候。卵は産み出されても、母雞のあたたかなるふところの裡(うち)にあたためられねば孵化(ふか)せぬ。われらが仏性の心性も、報身仏の慈悲の懐に摂(…
1 ...仏教者のことば(47) 立正佼成会会長 庭野日敬 (報身仏としては)、法身よりうけたるわれらが心識(こころ)は仏性と申して、仏になり得らるる卵にて候。卵は産み出されても、母雞のあたたかなるふところの裡(うち)にあたためられねば孵化(ふか)せぬ。われらが仏性の心性も、報身仏の慈悲の懐に摂(おさ)められて麗しき信心も開発(かいほつ)いたし候。 …仏教者のことば48
人間の職種あるいは地位というものが、人間であることに優先してはいけないんだ、ということを心しようではないか。 東昇・日本(人間が人間であるために)
1 ...仏教者のことば(48) 立正佼成会会長 庭野日敬 人間の職種あるいは地位というものが、人間であることに優先してはいけないんだ、ということを心しようではないか。 東昇・日本(人間が人間であるために) 上に立つ者ほど自戒を 東昇博士については、前(第二十六回)に説明しましたが、博士は「東ゼミ」と名付ける若人のグループを持っていました。…