日本仏教の発展過程の精神を仏画に
そして、世界のいろいろの宗教の方がおいでになった時に、佼成会の願いは何かと、こう聞かれた時、どういうふうにしたらいいかということを考えまして、『一天四海 皆帰妙法』というのが私共の教えのひとつの中心であります。法華経ということになります。その法華経をどのようにするかということになりますと、『天壌無窮 異体同心』で、天地と共に窮まりなく異体同心。これまあ、世界中の人が皆、人種が違っても、顔の色が違っても、皆一つの心になって世界平和をつくろうと、こういうことが佼成会のひとつのねらいでございます。
四海帰妙というようなことで、この道場が出来ようとしている時に、とかくあの二百カイリ問題などがあって、海というものに対する関心が大変深くなってきて、そこで四海帰妙というのですから、四方みんな海にしようという考えを起こしまして、海の波を描いたのでございます。これも私の、まあ素人の作でございます。『慈眼視衆生 福聚海無量』――慈眼をもって人さまを見ますと、海の中には無限の徳があると言われております。そういうことを意味して、この絵を描かせていただきました。
まあそういうようなことで、二階の方に上がりますと、会長の部屋、そしてまた会長のところの応接室というようなものを、理事長さんはじめ皆さんが心配してくださいまして、今度皆さんがおいでになりましたらご案内できるようにならせてもらいました。このところにおいでいただきますと、あの鳥窠(ちょうか)禅師と白楽天の問答の絵を描きまして、『諸悪莫作 衆善奉行 自浄其意 是諸仏教』のこの字を入れたのであります。
要するにこの中を、展示のところをずうっとまいりますと、天平時代からの日本の仏画の進展、日本の仏教の発展過程の精神が、何か仏画の中にあるような気がするのであります。それをご覧になっていただいて、二階の私の応接間までおいでいただきますと、仏教徒は何ぞやと、こう言われましたら、悪いことをしないでいいことをして、自分の心を清めることが、これが仏教でございますと、こういうふうに書いておきまして、これをご覧いただきますと、もうめんどうなしに、ああ仏教というものはそういうものかと、言葉の通じない人でも絵をもって示したらわかるんじゃなかろうかと、こんなことを考えて、大それたものを描きました。