幸福はいくら分けても減らない
最後に、私は昨年六月、国連の軍縮特別総会において、提言の機会を与えられ、カーター大統領閣下、並びにブレジネフ書記長閣下に対し、「危険を冒してまで武装するよりも、むしろ平和のために危険を冒すべきである」と申しあげました。
もとより、宗教者としての私の声は小さく、弱いことも私自身がよく存じております。
しかし、核の脅威、そして人類の三分の一が餓死線上にあって、年に約六百万人の人たちが餓死しているということがいわれております。さらに残る三分の一が腹ふくるる思いをしている不均衡をみるにつけ、私たちはこれで果たしてよいのだろうかという問題意識をもつべきでありましょう。世界にはまだ文盲の解決よりも、まだパンが問題のところがたくさんございます。私共立正佼成会におきましては、今までにカンボジアにおいて、子供たちの学校を造り、農業の指導を行い、ラオスでは信仰の中心である国宝・タートルワン寺院の修復に取り組んだこともございます。
しかし、それらの事業は戦争による政変によってあえなく放棄せざるを得ませんでした。さらにベトナム難民の救助、バングラデシュの子供たちへの食糧援助、ネパール女性の日本における看護婦養成などを微力ながらも続けておりますが、それはまだ事態を揺り動かすほどの力にはなっておりません。