第1章 第6節 ありがとう普門館——受け継がれる「心の聖地」

2011
2021

これから生まれる子供たちは、普門館を見ることはかないません。私たちは、後ろ姿で普門の精神を示し、他者の苦しみに目を向け、生きがいのある豊かな人生を送れるように努力していきたいものです。(庭野光祥)

落成以来「文化の殿堂」として君臨した普門館は、2011年の東日本大震災の発生により大きな岐路に立たされます。耐震性調査によって導き出された「大ホール天井落下の危険性」の影響は大きく、2013年、教団として新館建設および改修断念という苦渋の決断が下されました。
2018年、解体を前に開催された舞台開放イベント「普門館からありがとう」には、かつて”吹奏楽の甲子園”と呼ばれた「聖地」の終焉を惜しむ吹奏楽関係者が全国から殺到。訪れた人々には惜別と感謝を捧げました。11月19日、庭野日鑛2代会長と庭野光祥次代会長の手により、静かに緞帳が下ろされ、普門館はその48年の歴史に幕を閉じました。
2021年、解体された跡地に姿を現したのは「普門エリア」という名の広場でした。かつての大ホールの面影を残す芝生、外壁レリーフを活用した門。建物という形はなくなりましたが、往時の記憶を刻んだ憩いの場として、「あまねく門を開く」という普門の精神は今もなお、訪れる人々を温かく迎え入れています。

平成23年
2011

3月11日

東日本大震災の影響により、普門館内壁が崩落。当初予定されていた各種催しを中止。

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4月1日

普門フェスティバルの中止を会報にて通知。

6月12日

普門舞踊・太鼓まつり、第41回舞踊フェスティバル、第16回普門太鼓の祭典などの行事を中止。

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10月22日~10月23日

全日本吹奏楽連盟、朝日新聞社主催「第59回全日本吹奏楽コンクール」を開催。

2日間で延べ17,743人が来場。普門館の耐震上の問題による使用停止を前に、同会場で行われる最後の全日本吹奏楽コンクールとなった。

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11月3日

ソニーPCL株式会社主催「ラトル指揮 ベルリンフィル3D“音楽の旅”」ジャパンプレミアを開催。

演目はグスタフ・マーラー『交響曲第1番 ニ長調「巨人」』およびセルゲイ・ラフマニノフ『交響的舞曲 作品45』。最新の3D技術を用いることで、オーケストラの迫力ある演奏シーンが立体的に再現された。

11月6日

EMIミュージックジャパン主催「TKWO THIS IS BRASS&NEW SOUNDS INBRASS in Consert」を開催。

マイケル・ジャクソンの楽曲をカバーしたCDアルバム『THIS IS BRASS~Beat It~』の反響に応え、開催された。

11月27日

東日本大震災の影響で中止となった「第32回合唱普門フェスティバル」が開催。

震災の犠牲者に哀悼の意を表すとともに、早期復興を祈念して黙祷を捧げ、『ふるさと』を斉唱。

平成24年
2012

4月29日

第42回 普門フェスティバル

秋川雅史、由紀さおり、安田祥子、クミコ、東京佼成ウインドオーケストラらが出演。
4700人が鑑賞。

5月7日

建設会社より耐震調査報告書が提出される。

普門館の構造そのものは震度6弱から7の地震に耐えることができるが、大ホール天井については十分な耐震性が確保されておらず、天井落下の危険性が高いと判断された。

5月12日

理事会で普門館大ホールの使用中止が決定。

首都圏で震度6弱から7の巨大地震が発生した場合、普門館大ホールの天井部の耐震性が不十分であるとの調査結果が出された。大地震の際には天井の破損や落下の恐れがあり、人命への影響が甚大であると判断。この安全上の理由により、大ホールの使用停止が決定された。

10月28日

「平成24年第3回評議員会」が開催。

耐震調査の結果を受け、大ホールの使用停止と今後の建物全体の取り扱いに関する方針が示された。

平成25年
2013

3月24日

普門館大ホール貸し出し中止。

11月6日

「教団幹部会」において、「新生・普門プロジェクト」の検討に従い、理事会において新・普門館の建設及び現・普門館の改修を断念する決定がなされたことを報告。

11月14日

新・普門館の建設及び現・普門館の改修を断念する決定がなされたことが公表。

平成26年
2014

8月16日

第54回吹奏楽コンクール東京都大会において、「吹奏楽の甲子園」と呼ばれた「普門館」の名称を将来にわたって語り継がれ、中・高生へのエールを送りたいとの、教団の願いにより「普門館賞」を新設した。

これまで同ホールで行われたコンクールに出場経験のある小学校・中学校・高等学校に対し、感謝の意を込めてメトロノームが贈呈された。2014年~2021年までの計8回行われた。

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平成28年
2015

4月28日

「ダーナの日」が制定される。

平成27年度壮年幹部会が開催され、庭野開祖の示す“普門の精神”が重視され、日蓮聖人が立教開宗を宣言し伝道の誓願を立てた日と、普門館の落成日にちなみ、4月28日に設定された。

平成29年
2017

1月14日

千代田中央教会主催「普門館を考える会」プロジェクトを開催。

庭野光祥次代会長、鈴木寛(東京大学、慶應義塾大学、文部科学大臣補佐官)らが出席。

7月2日

新生・普門プロジェクト解散式を開催。

平成30年
2018

2月14日~11月15日

会員向けの本部参拝前泊プログラム「ありがとう普門館」を開始。

普門館大ホールのステージ上で、特別映像作品の上映会が行われた。
スクリーンでは、庭野開祖の法話や普門館が歩んできた歴史を紹介。

3月19日

全国教会長研修の席上、普門館全体の使用終了と「普門エリア整備工事」の実施が川端理事長から発表。

普門館の解体工事期間は2018年12がつから2020年5月までと予定。
解体後の土地整備の方針として、大聖堂周辺の景観への配慮、芝生化を基本とした緑地化、将来的に柔軟な活用を担保するため地上への固定施設を設けないことなどが示された。

4月28日
9月9日

普門館への報恩感謝のつどい実行委員会主催「鼓笛有志による報恩感謝のつどい」を開催。

東京教区30教会の鼓笛隊、バトンチーム、観客を含む約1300人が集まり、会歌「教えあおげば」行進曲版ほか2曲を演奏。

11月

普門館全体の使用終了。

11月5日~11月11日

解体を前に、舞台を解放するイベント「普門館からありがとう~吹奏楽の響きたちへ~」を開催。

かつてコンクール等に出場した吹奏楽関係者や一般参拝者がステージに立ち、解体を前に普門館との別れを惜しんだ。

11月19日

職員によるセレモニー「ありがとう普門館」を開催。

普門館の閉館行事が行われ、庭野日鑛会長が第2緞帳、庭野光祥次代会長が第1緞帳の降下スイッチを押した。これにより、1970年の落成から48年にわたる同ホールの歴史に幕を下ろした。

11月20日
11月22日

普門館で首都直下型地震に対応した警視庁による救助訓練を実施。

2020年の東京オリンピック・パラリンピック開催を見据えた首都直下型地震対応訓練へ協力。
倒壊した建物内に人が取り残されたという想定で、普門館4階部分の壁面に削岩機やハンマーを使ってあなをあけ、担架によるけが人救助の訓練が行われた。

12月23日

教団本部、「普門エリア整備工事」の一環として、同エリア内の聖観世音菩薩像の周辺に高透過ガラスの囲いを設置。

平成31年
2019

3月23日

文化放送、立正佼成会提供ラジオ「普門館からありがとう」が放送。

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令和元年
2019

7月

開祖記念館企画展示「お釈迦さまを支えた在家信者たち」にて100分の1スケールで再現された「普門館」の模型を展示。

令和3年
2021

2月8日

「普門エリア」落成式を挙行。

解体後の跡地が宗教空間として整えられ、境内として参拝者の受け入れを開始した。
敷地内には「聖観世音菩薩像」が遷座され、新たに参道を設置。
芝生は普門館の外周を模した双環形に整備された。門には旧建物の外壁レリーフ、照明ホールには大ホール壁面のクリスタルが再利用され、往時の面影を残す空間となった。