大勢で供養を…
こうしたご供養というものについて、もう一度、盂蘭盆会に戻ってお話しますと、ちょうど雨季の安居がすんで、お釈迦さまのお弟子の僧侶方が、三千人も集まっているところでした。
神通力によって、お母さんが地獄の一劫で苦しんでいることを知った目連尊者は、仏さまに結んでいただいた言葉を信じて、山海の珍味をもって、この三千人の方にご供養申し上げ、同時に皆さんに読経をしていただきました。
こうして三千人ものお坊さんが、真剣に成仏を願って読経三昧に入られると、その経力によって、地獄の一劫で苦しんでおられたお母さんが、スーッと修行の場に出てこられ、成仏の方向に向かったという、こういうことから、この盂蘭盆会というものが起こってきたわけです。
ですから、皆さんも祈願供養の場合、一人より二人、二人より三人と、多いほうがよいのです。
年一回、八月十九日に私どももお招きいただく波木井山の川施餓鬼にしても、塔婆にたくさん戒名をお書きになり、お坊さんがお経を上げられると、道場いっぱいの参加者が一緒になって読経をしてくださるのです。一度にあれだけの人が一斉にお経を上げ、ご先祖さまの成仏を願うというのは、これは、なかなか他所ではできることではありません。
佼成会でも、きょうは全国で盂蘭盆会のご供養が行われているはずで、ご先祖さまも、さぞかしお喜びと存じます。
前にも申しましたが、文殊菩薩が言われたように、久遠の昔から、三千年に一度ぐらい、次々と二万人もの仏さまが衆生を憐むがゆえに世にお出ましになり法華経をお説きになったという、こういうことが繰り返されてきた順序次第から、過去世とのつながりを教えられているわけです。
そしてまた、目連尊者のお母さんにしても、神通第一と言われる人の母ですから、もちろん立派な人で、別に悪いことをしたわけではありません。ただ自分の子を非常に大事にするあまり、他人の子との間に差別があった。今の教育熱心な母親が、自分の子だけは試験に合格させたいと一生懸命になっているのと似ていますが、そこに、ほんの少し仏さまのみ心とは違うところができて、地獄の一劫で苦しまねばならない罪障ができてしまったわけです。しかし、そういう罪障も、その子の目連尊者の切なる願いと信仰心、さらに三千人の僧侶方にお願いする機会に恵まれたことによって救われるという、このことから、今日の時代の私どものご先祖さまも救われる方法を教えていただいているわけです。
ですから、私どもはご先祖さまとのつながり、そして親子の関係というものを、この盂蘭盆会を機に、深くかみしめねばならないと思います。