西ドイツではルーテルというすばらしい思想家が生まれたんですね。マルクスも生まれている。ルッカーさんはカソリックのほうで、カソリックのほうはいくらか、ローマ法王さまのおかげでいいけれども、ルーテル派はどうにもならぬ、といわれておったのが、私がいろいろ話しをしてみるというと、ルーテル派の方が、「全くそのとおりだ」というのです。これはクンストという神父さんに会ったのですが、この方は西ドイツの政府との連絡のルーテル派の親方なんです。この人をとおして政府が、これは皆さんがびっくりするほどの大金を、政府がとにかく、日本の金にして五百億の金をルーテル派にくれるわけです。助成金としてこれから開発しなくちゃならない国に。なぜ援助金を政府がくれるかというと、政府が援助しようとすると、みんなひもつきになってしまって、そして政府がやろうとすると、どこか頭越しに困らない人のところへいってしまって、どこかの権力者のポケットに入っちゃったりして、困る人のところへいかぬというんです。そういうことを西ドイツの政府はよく認識しているわけです。そこで宗教家が向こうの宗教を通じてしもじもの人がどんなに苦しんで難儀しているか、そういう人に布施をしよう。こういう形でもって、政府が五百億という金をくださるわけです。これはルーテル派にもくれると同時にカソリックにもくれるわけです。両方に五百億ずつですから一千億という金を政府がくれるんですね。
このくれるということにわけがあって、政府が宗教税というのを取るんだそうで、ルーテル派であるか、カソリック派であるか、ちゃんと登録してあるわけです。そこの家の収入に対して何かの税金を政府が取るわけですね。政府はそれをとっておいて、宗教家が難儀しておる者に宗教というすばらしいことの真心の結晶を、どこかの困っているものに施すということに使わなければもったいないというので、この金を政府はちゃんと取り上げてそれをカソリックとルーテル派にさげるわけです。
そして教団のほうでは一生懸命で、八割の人が食うに困るのだからというのでお寺で集めるわけです。そのほうが五百億。それから地震とか水害とか災害が出たときは大急ぎでこれまた、声を大にして宗教者が募金をする。これが三分の一。政府がくれる金と、自分たちのお寺で集める金と災害募金の三つを集めて、後進国に送っているわけです。
ですから開発という仕事をして三千億もの金を二教団でもっていろいろやってみると、どうしても宗教協力は必要だなということは骨身にしみているわけです。そういうところにたまたま日本から仏教徒が来て、キリスト教徒に一生懸命に神の愛を説いてくれるというのでもって、向こうでは「申しわけない話だ。まことにお恥しい話だ。あなたの言うことはよくわかります。それじゃ私どもも、一生懸命にやらしてもらいましょう。そのためにはあなたが来て、カソリックのほうも説いてください」というようなことで、カソリックのほうからは「ルーテル派を説いてください」と言われる。