仏教徒として
こういうことで第一日目は終りまして、次の日はロシア正教の神父さんが居並ぶ中でご挨拶申し上げることになった。そこで、私はまっこうから「私は仏教徒でございます。仏教以外のことは何も存じない人間でございます。仏教では在家の者に対して、在家の者ということは言い変えれば人類すべてに対してということでございますが、まず第一に〝五戒〟を守るように教えられております」と、まっ先に申し上げたのであります。
まあ、私はどこにまいりましても「仏教徒でございますので、仏教の教義にそってお話したい」と申し上げるんですが、なぜそう申し上げるのかと言いますと、世界平和を実現するには世界中の人々に仏教精神を体して生活して頂く、これが一番間違いのない方法だと確信しているからなのであります。ですから今回のソ連訪問も、一貫して仏教のお話をしてきたのであります。
乾杯の多い国ソ連
二日目は〝友情教会〟というところへ行くようにということでしたのでそこへまいりました。外国の、思想の異なる人々とも友情を持って話し合うということで、一つの会館が建てられているんですね。まあ、どこでも同じだなあと思ったんですが、私が行くということでお年寄り、特におばあちゃんなどが熱心にお集りになっておりまして、ご馳走を用意して待っていて下さった。
まあ、中国も乾杯の多い国だなあと思っていたんですが、ソ連はその中国よりさらに乾杯が多かった。なぜ乾杯が多いかと申しますと、最初の一杯は私の健康のためにと言って乾杯する。次は竹村秘書室長のために乾杯、その次は鈴木秘書のために乾杯。なにしろ私共一行は6人ですから6回乾杯するんです。その間に相手方に対する乾杯も入る。
そして、乾杯というのは全部きれいに飲み乾すと長生きするんだそうです。そういうことでソ連の方はなかなかお酒は強いんですね。そういうようなことで、きわめていい雰囲気の中でいろいろと話し合わせて頂いた。