開祖さまご法話テキスト『精進』 1982年10月
虚空蔵菩薩ご命日(ソ連帰朝報告)
生誕地祭り
皆さま、本日はようこそご参拝下さいました。ついこの間正月が来たと思っておりましたら、もう10月、お会式の月になりました。私の故郷の方では東京よりも一足早くお会式が、県知事さんまでご参列頂いてたいへんに盛大に行なわれた。という報告を受けております。
私の子供の頃のことを思い出しますと、私の故郷では蜂に刺れても南無阿弥陀仏、南無阿弥陀仏……。熱いお風呂に入るというと、大事なところをしっかりとおさえて南無阿弥陀仏、南無阿弥陀仏。
そういう土地柄でありますから、「法華、仏になれば、牛の糞が味噌になる」などと、法華経に対して誠に無関心、無理解なのであります。
そういう土地に佼成会が菅沼修養道場を建てて下さいまして、全国から信者さんがたくさんお参りに来て下さるようになった。そういうことから、十日町の町から菅沼までは申甲 (菅沼)、酉甲 (大池)、戌甲 (赤倉)、亥甲 (軽沢) というような部落が続いているんですが、最近はそこの子供たちが遊びの中で言う言葉は、南無阿弥陀仏ではなくして南無妙法蓮華経、南無妙法蓮華経と言うようになったというんです。そういうことで大人たちもびっくりしているわけなんですが、子供たちの方が感化が早いようでございます。そういうところへお会式を持っていきますと、一段と法華経に対する理解が深まっていくことになると思うのであります。先般行なわれました「生誕地祭り」というのは、そういう意味では、大きな意味での布教活動になっているわけであります。真実を説く〝時〟は来ている
この話は、既に何回も申し上げたと思いますが、念仏宗にも禅宗にも、どの宗派にもお祖師さまはいらっしゃるわけです。念仏宗なら法然上人、浄土真宗なら親鸞上人というように。けれども、ただ〝お祖師さま〟と言いますと日蓮さまと、誰しもが心の中に描くそうでございます。それはなぜなのかと申しますと、日蓮聖人が「法華経こそがお釈迦さまご一代のご説法の中で一番尊いお経であり、その法華経こそが人類救済のご法門である」ということをはっきりとさせた方であるからなのであります。
そういう意味で、世界人類を救おうということになりますと、もういろいろと説いていたんでは、救いようがないんです。理屈でいろいろ言っていても話は通じない。生誕地祭り
皆さま、本日はようこそご参拝下さいました。ついこの間正月が来たと思っておりましたら、もう10月、お会式の月になりました。私の故郷の方では東京よりも一足早くお会式が、県知事さんまでご参列頂いてたいへんに盛大に行なわれた。という報告を受けております。
私の子供の頃のことを思い出しますと、私の故郷では蜂に刺れても南無阿弥陀仏、南無阿弥陀仏……。熱いお風呂に入るというと、大事なところをしっかりとおさえて南無阿弥陀仏、南無阿弥陀仏。
そういう土地柄でありますから、「法華、仏になれば、牛の糞が味噌になる」などと、法華経に対して誠に無関心、無理解なのであります。
そういう土地に佼成会が菅沼修養道場を建てて下さいまして、全国から信者さんがたくさんお参りに来て下さるようになった。そういうことから、十日町の町から菅沼までは申甲 (菅沼)、酉甲 (大池)、戌甲 (赤倉)、亥甲 (軽沢) というような部落が続いているんですが、最近はそこの子供たちが遊びの中で言う言葉は、南無阿弥陀仏ではなくして南無妙法蓮華経、南無妙法蓮華経と言うようになったというんです。そういうことで大人たちもびっくりしているわけなんですが、子供たちの方が感化が早いようでございます。そういうところへお会式を持っていきますと、一段と法華経に対する理解が深まっていくことになると思うのであります。先般行なわれました「生誕地祭り」というのは、そういう意味では、大きな意味での布教活動になっているわけであります。真実を説く〝時〟は来ている
この話は、既に何回も申し上げたと思いますが、念仏宗にも禅宗にも、どの宗派にもお祖師さまはいらっしゃるわけです。念仏宗なら法然上人、浄土真宗なら親鸞上人というように。けれども、ただ〝お祖師さま〟と言いますと日蓮さまと、誰しもが心の中に描くそうでございます。それはなぜなのかと申しますと、日蓮聖人が「法華経こそがお釈迦さまご一代のご説法の中で一番尊いお経であり、その法華経こそが人類救済のご法門である」ということをはっきりとさせた方であるからなのであります。
そういう意味で、世界人類を救おうということになりますと、もういろいろと説いていたんでは、救いようがないんです。理屈でいろいろ言っていても話は通じない。百聞は一見に如ず
先程、秘書室長の竹村君が、今回私がソ連に行ってきたことについていろいろと話しておりましたが、なにしろ共産主義国の本家であるソ連に私が行くというので、竹村君はだいぶ神経質になって苛々していた。私はそれをよく分かっていたんです。けれども、とにかく昔から「百聞は一見に如ず」という言葉がある。行かないうちから、ああだ、こうだと言ってみたってしょうがない。行ってみれば「ソ連、見たかい」「それ、見たかい」で、誠に簡単に分かるんですから。
ソ連という国は共産主義の国なんですが、ソ連の総人口2億5千万人のうち、共産党員というのはわずか1千万人しかいないんだそうです。ところが、ロシア正教の信者は6千万人もいる。その他にもまだイスラム教徒の方が5千万人もいるんだそうです。
ソ連という国は「宗教は阿片だ」という共産主義の国でありますが、実際はこういうことでありました。そして、この他にも仏教の方もいらっしゃる。先程竹村君が、ソ連は昔蒙古(元)に侵略されたことがあると話しておりましたが、その時に仏教も伝えられたんですね。
そういうことになりますと、ソ連の半分以上の方々が何かの形で信仰を持っていらっしゃる。こういうことになるわけであります。で、それにひきかえ共産主義者というのは総人口の25分の1しかいないんですね。ソ連という国はそのように宗教を持つ方々がたくさんいらっしゃる国なのですから、本来ですと今までに何回も訪問してみればいい国だったんですが、いろいろのことがあって今まで疎遠になっておった。
また、ソ連という国はWCRPの会議などには喜こんで出席して下さる。しかし、WCRPのためにお金を出して頂きたいと、こう申し上げても分担金も含めて一切出してくれない。これまた、非常にあっさりしているんです。出す気がない。そういう状態だったものですから、ソ連という国はいったいどういう国なんだか、それこそ気持ちが、私も分からなかった。百聞は一見に如ず
先程、秘書室長の竹村君が、今回私がソ連に行ってきたことについていろいろと話しておりましたが、なにしろ共産主義国の本家であるソ連に私が行くというので、竹村君はだいぶ神経質になって苛々していた。私はそれをよく分かっていたんです。けれども、とにかく昔から「百聞は一見に如ず」という言葉がある。行かないうちから、ああだ、こうだと言ってみたってしょうがない。行ってみれば「ソ連、見たかい」「それ、見たかい」で、誠に簡単に分かるんですから。
ソ連という国は共産主義の国なんですが、ソ連の総人口2億5千万人のうち、共産党員というのはわずか1千万人しかいないんだそうです。ところが、ロシア正教の信者は6千万人もいる。その他にもまだイスラム教徒の方が5千万人もいるんだそうです。
ソ連という国は「宗教は阿片だ」という共産主義の国でありますが、実際はこういうことでありました。そして、この他にも仏教の方もいらっしゃる。先程竹村君が、ソ連は昔蒙古(元)に侵略されたことがあると話しておりましたが、その時に仏教も伝えられたんですね。
そういうことになりますと、ソ連の半分以上の方々が何かの形で信仰を持っていらっしゃる。こういうことになるわけであります。で、それにひきかえ共産主義者というのは総人口の25分の1しかいないんですね。ソ連という国はそのように宗教を持つ方々がたくさんいらっしゃる国なのですから、本来ですと今までに何回も訪問してみればいい国だったんですが、いろいろのことがあって今まで疎遠になっておった。
また、ソ連という国はWCRPの会議などには喜こんで出席して下さる。しかし、WCRPのためにお金を出して頂きたいと、こう申し上げても分担金も含めて一切出してくれない。これまた、非常にあっさりしているんです。出す気がない。そういう状態だったものですから、ソ連という国はいったいどういう国なんだか、それこそ気持ちが、私も分からなかった。語し合えば必ず分かる
まあ、このお話も何度かお話したと思いますが、私がWCRPを始める時に「世界中の宗教者などを一堂に会して会議するなどしたら、それこそ混乱してどうしようもないぞ」と、私を可愛がって下さる方ほどご心配下さった。「庭野君、君はとにかく宗教というのを甘く見すぎる。宗教などというのはそんな甘いもんじゃあない。世界中の宗教代表を集めて会議をするなんて、それこそ喧々囂々、もう収拾のつかないことになるぞ」と、盛んにご忠告下さった。
ところが、先程竹村君が言ったように私は、大馬鹿者ですので、全然そういう言葉には「我れ関せず」だった。いやしくも宗教を持っている人間ならば、会って話し合えば必ず分かるんだと、私はこういう考えですから、過去の宗教間の歴史がどうだとか、宗教者というのはみんな排他的なものなんだとかいうことは、私はまったく問題にしなかった。
なぜ問題にしなかったのかと言いますと、皆さま方も法華経をお読みになってみれば分かると思うのですが、仏さまは信じない者は相手にしないというようなことはないんですね。『若しは信、若しは謗、共に仏道を成ず』とおっしゃっておられる。信じる者と信じない者、そういうことで差別をしない。信じる者も信じない者もみんな一仏乗である。この地球上の人類はすべて等しく仏さまの子供であり、仏さまがみんな一緒に抱きかかえて下さっているんだと、ちゃんとお経に書いてあるんですね。ですから、たとえ世界中の宗教代表を一堂に会しても、話し合えば必ず分かり合えるんだと、私はこういう考えですからちっとも神経を使うこともなかったんです。こういうことで今日まで13年間ずうっとやってきたのであります。語し合えば必ず分かる
まあ、このお話も何度かお話したと思いますが、私がWCRPを始める時に「世界中の宗教者などを一堂に会して会議するなどしたら、それこそ混乱してどうしようもないぞ」と、私を可愛がって下さる方ほどご心配下さった。「庭野君、君はとにかく宗教というのを甘く見すぎる。宗教などというのはそんな甘いもんじゃあない。世界中の宗教代表を集めて会議をするなんて、それこそ喧々囂々、もう収拾のつかないことになるぞ」と、盛んにご忠告下さった。
ところが、先程竹村君が言ったように私は、大馬鹿者ですので、全然そういう言葉には「我れ関せず」だった。いやしくも宗教を持っている人間ならば、会って話し合えば必ず分かるんだと、私はこういう考えですから、過去の宗教間の歴史がどうだとか、宗教者というのはみんな排他的なものなんだとかいうことは、私はまったく問題にしなかった。
なぜ問題にしなかったのかと言いますと、皆さま方も法華経をお読みになってみれば分かると思うのですが、仏さまは信じない者は相手にしないというようなことはないんですね。『若しは信、若しは謗、共に仏道を成ず』とおっしゃっておられる。信じる者と信じない者、そういうことで差別をしない。信じる者も信じない者もみんな一仏乗である。この地球上の人類はすべて等しく仏さまの子供であり、仏さまがみんな一緒に抱きかかえて下さっているんだと、ちゃんとお経に書いてあるんですね。ですから、たとえ世界中の宗教代表を一堂に会しても、話し合えば必ず分かり合えるんだと、私はこういう考えですからちっとも神経を使うこともなかったんです。こういうことで今日まで13年間ずうっとやってきたのであります。頬ずり魔に閉口
京都会議の前年に準備会議があったんですが、会場も京都と決まり、予算もどこの国がいくら出すかということも決まって、いよいよ最後のくくりを付けようという段階になって、たまたまいらっしゃったのが今回お会いしたボエフスキーという髭面の人なんです。この方は、例の桶のような帽子をかぶっていない、いつでも普段着を着た、神父ではなくして博士なんだそうです。今回行ってみて分かったのですが、この方はロシア正教の渉外部長なのだそうです。神父さんでもないのに会議にはいつも出てくるものですから、ソ連政府の廻し者なのかなあだなんて思っていた。
今度ソ連にまいりましたら、そのボエフスキー博士は、私共が行ったのがよほど嬉しかったらしく私共一行6人全員に頬ずりをして出迎えて下さった。びっくりするほどの大男なんですが、喜こんで夢中になって頬ずりする人です。こっちは髭が痛くてたまらないんですよ。しかし、向うではそれが最高のサービスなんですね。そういうようなことで、私共は彼に〝頻ずり魔〟という仇名を付けた。「それ、また頬ずり魔が来たぞ」と。 (笑) もう、長いこと待っていた。それがようやく来てくれたというので、サービスのつもりで一生懸命に頬ずりをしてくれる。特別待遇の中で
モスクワの空港に着きますと、出迎えもたくさん来て下さいまして、パスポートを渡して下さいと言うのでパスポートを渡した。荷物も預るというので荷物も預ける。そういうことで全部取り上げられて空っぽになっちゃった。そして、皆さま方の荷物は届けておきますから、どうぞホテルの方へ、もう、迎えの車が来ておりますから」と。なにしろパスポートを取られちゃっていますから、もう、どこにも行くことができない。パスポートも荷物も全部取り上げられちゃって、そしてさっさとホテルへ……。
自動車に乗りましたが、たぶんソ連で一番いい車でしょう。赤信号でもピィピィとクラクションを鳴らして、他の車を全部止めて大威張りでサァッと通っていく。お巡りさんは、日本と同じように木剣を持っておりまして、二尺ぐらいはあったでしょうか、その先に電灯が付いておりまして、それを使って「早くお通りなさい」と。もう、どこへ行っても「天下ご免‼」でまことにけっこうなんです。
そして、ホテルに着きますとちゃんと部屋割りもしてあり、荷物も届いておりました。日本では入国する時に「トランクを開けろ」とか荷物がどうしたとかあるわけですが、ソ連では私共の荷物を全然調べないで、「どうぞ、どうぞ」と一つも文句を言わないで、まったくの特別待遇なんです。頬ずり魔に閉口
京都会議の前年に準備会議があったんですが、会場も京都と決まり、予算もどこの国がいくら出すかということも決まって、いよいよ最後のくくりを付けようという段階になって、たまたまいらっしゃったのが今回お会いしたボエフスキーという髭面の人なんです。この方は、例の桶のような帽子をかぶっていない、いつでも普段着を着た、神父ではなくして博士なんだそうです。今回行ってみて分かったのですが、この方はロシア正教の渉外部長なのだそうです。神父さんでもないのに会議にはいつも出てくるものですから、ソ連政府の廻し者なのかなあだなんて思っていた。
今度ソ連にまいりましたら、そのボエフスキー博士は、私共が行ったのがよほど嬉しかったらしく私共一行6人全員に頬ずりをして出迎えて下さった。びっくりするほどの大男なんですが、喜こんで夢中になって頬ずりする人です。こっちは髭が痛くてたまらないんですよ。しかし、向うではそれが最高のサービスなんですね。そういうようなことで、私共は彼に〝頻ずり魔〟という仇名を付けた。「それ、また頬ずり魔が来たぞ」と。 (笑) もう、長いこと待っていた。それがようやく来てくれたというので、サービスのつもりで一生懸命に頬ずりをしてくれる。特別待遇の中で
モスクワの空港に着きますと、出迎えもたくさん来て下さいまして、パスポートを渡して下さいと言うのでパスポートを渡した。荷物も預るというので荷物も預ける。そういうことで全部取り上げられて空っぽになっちゃった。そして、皆さま方の荷物は届けておきますから、どうぞホテルの方へ、もう、迎えの車が来ておりますから」と。なにしろパスポートを取られちゃっていますから、もう、どこにも行くことができない。パスポートも荷物も全部取り上げられちゃって、そしてさっさとホテルへ……。
自動車に乗りましたが、たぶんソ連で一番いい車でしょう。赤信号でもピィピィとクラクションを鳴らして、他の車を全部止めて大威張りでサァッと通っていく。お巡りさんは、日本と同じように木剣を持っておりまして、二尺ぐらいはあったでしょうか、その先に電灯が付いておりまして、それを使って「早くお通りなさい」と。もう、どこへ行っても「天下ご免‼」でまことにけっこうなんです。
そして、ホテルに着きますとちゃんと部屋割りもしてあり、荷物も届いておりました。日本では入国する時に「トランクを開けろ」とか荷物がどうしたとかあるわけですが、ソ連では私共の荷物を全然調べないで、「どうぞ、どうぞ」と一つも文句を言わないで、まったくの特別待遇なんです。ハードなスケジュール
そして、私共は飛行機の中でたくさんご馳走になりましたので、今晩は食べなくてもいいなあと思っておりましたら、もうその晩からロシア正教の法王さまからご招待を頂きまして、もう立派なパーティが用意されておりました。ロシア正教の法王さまはピーメンという方なんですが、たいへんなご馳走をして下さった。そして、原稿用紙二枚くらいの長さの歓迎の辞を述べて下さった。通訳から内容を聞きますと、私共がソ連に来たことをたいへんに賛嘆され、そして今日まで私がやってきたことを本当によく調べられて、たいへんなお誉めの言葉を頂いた。誠に恐縮千万であったわけであります。
その席上で、ソ連が立てて下さった、今回の旅のスケジュールを教えて頂いたんですが、それを見ましたら、それこそ寸暇もないんですね。まあ、佼成会でも会長を本当によく使って下さるので、私は休む暇もない。たまにゴルフに行きたいなあと思いましても、一週間に一回ゴルフに行こうとしてもその暇もないんですが、ソ連はそれよりももっとひどい。まあ、私はどこへ行っても、よくよく使われるように生まれついてるんだなあと思ったんですが、神さまがお使い下さるんだから有り難いと、こう思って、感謝して一生懸命でソ連側で立てて下さったスケジュールどおりに歩かしてもらったのであります。
ソ連に行ってみますると、「なぜ一週間などという短い日程をとったんだ。ソ連は広いんだから、せめて半日くらい日程をとらなければどうにもならんじゃあないか。気の毒だけれども強行スケジュールであっちこっちへ行ってもらわなければ」というようなことで、短い期間ではありましたがいろいろなところへ行ってまいりました。
外務省の極東二部長という方にもお会いしたんですが、この方はなかなか強いことをたいへんな勢いでおっしゃるんです。けれども、それにいちいち神経をとがらしていたんではこちらがたまらない。「何を言われようが」と、こういう気持ちになりますと、なかなか上手に受け答えして下さった。強く言うかと思うと、ちゃんと相手の気持ちを曲げないようにとうまく考えて、私共を大事に考えて話して下さった。ハードなスケジュール
そして、私共は飛行機の中でたくさんご馳走になりましたので、今晩は食べなくてもいいなあと思っておりましたら、もうその晩からロシア正教の法王さまからご招待を頂きまして、もう立派なパーティが用意されておりました。ロシア正教の法王さまはピーメンという方なんですが、たいへんなご馳走をして下さった。そして、原稿用紙二枚くらいの長さの歓迎の辞を述べて下さった。通訳から内容を聞きますと、私共がソ連に来たことをたいへんに賛嘆され、そして今日まで私がやってきたことを本当によく調べられて、たいへんなお誉めの言葉を頂いた。誠に恐縮千万であったわけであります。
その席上で、ソ連が立てて下さった、今回の旅のスケジュールを教えて頂いたんですが、それを見ましたら、それこそ寸暇もないんですね。まあ、佼成会でも会長を本当によく使って下さるので、私は休む暇もない。たまにゴルフに行きたいなあと思いましても、一週間に一回ゴルフに行こうとしてもその暇もないんですが、ソ連はそれよりももっとひどい。まあ、私はどこへ行っても、よくよく使われるように生まれついてるんだなあと思ったんですが、神さまがお使い下さるんだから有り難いと、こう思って、感謝して一生懸命でソ連側で立てて下さったスケジュールどおりに歩かしてもらったのであります。
ソ連に行ってみますると、「なぜ一週間などという短い日程をとったんだ。ソ連は広いんだから、せめて半日くらい日程をとらなければどうにもならんじゃあないか。気の毒だけれども強行スケジュールであっちこっちへ行ってもらわなければ」というようなことで、短い期間ではありましたがいろいろなところへ行ってまいりました。
外務省の極東二部長という方にもお会いしたんですが、この方はなかなか強いことをたいへんな勢いでおっしゃるんです。けれども、それにいちいち神経をとがらしていたんではこちらがたまらない。「何を言われようが」と、こういう気持ちになりますと、なかなか上手に受け答えして下さった。強く言うかと思うと、ちゃんと相手の気持ちを曲げないようにとうまく考えて、私共を大事に考えて話して下さった。仏教徒として
こういうことで第一日目は終りまして、次の日はロシア正教の神父さんが居並ぶ中でご挨拶申し上げることになった。そこで、私はまっこうから「私は仏教徒でございます。仏教以外のことは何も存じない人間でございます。仏教では在家の者に対して、在家の者ということは言い変えれば人類すべてに対してということでございますが、まず第一に〝五戒〟を守るように教えられております」と、まっ先に申し上げたのであります。
まあ、私はどこにまいりましても「仏教徒でございますので、仏教の教義にそってお話したい」と申し上げるんですが、なぜそう申し上げるのかと言いますと、世界平和を実現するには世界中の人々に仏教精神を体して生活して頂く、これが一番間違いのない方法だと確信しているからなのであります。ですから今回のソ連訪問も、一貫して仏教のお話をしてきたのであります。乾杯の多い国ソ連
二日目は〝友情教会〟というところへ行くようにということでしたのでそこへまいりました。外国の、思想の異なる人々とも友情を持って話し合うということで、一つの会館が建てられているんですね。まあ、どこでも同じだなあと思ったんですが、私が行くということでお年寄り、特におばあちゃんなどが熱心にお集りになっておりまして、ご馳走を用意して待っていて下さった。
まあ、中国も乾杯の多い国だなあと思っていたんですが、ソ連はその中国よりさらに乾杯が多かった。なぜ乾杯が多いかと申しますと、最初の一杯は私の健康のためにと言って乾杯する。次は竹村秘書室長のために乾杯、その次は鈴木秘書のために乾杯。なにしろ私共一行は6人ですから6回乾杯するんです。その間に相手方に対する乾杯も入る。
そして、乾杯というのは全部きれいに飲み乾すと長生きするんだそうです。そういうことでソ連の方はなかなかお酒は強いんですね。そういうようなことで、きわめていい雰囲気の中でいろいろと話し合わせて頂いた。仏教徒として
こういうことで第一日目は終りまして、次の日はロシア正教の神父さんが居並ぶ中でご挨拶申し上げることになった。そこで、私はまっこうから「私は仏教徒でございます。仏教以外のことは何も存じない人間でございます。仏教では在家の者に対して、在家の者ということは言い変えれば人類すべてに対してということでございますが、まず第一に〝五戒〟を守るように教えられております」と、まっ先に申し上げたのであります。
まあ、私はどこにまいりましても「仏教徒でございますので、仏教の教義にそってお話したい」と申し上げるんですが、なぜそう申し上げるのかと言いますと、世界平和を実現するには世界中の人々に仏教精神を体して生活して頂く、これが一番間違いのない方法だと確信しているからなのであります。ですから今回のソ連訪問も、一貫して仏教のお話をしてきたのであります。乾杯の多い国ソ連
二日目は〝友情教会〟というところへ行くようにということでしたのでそこへまいりました。外国の、思想の異なる人々とも友情を持って話し合うということで、一つの会館が建てられているんですね。まあ、どこでも同じだなあと思ったんですが、私が行くということでお年寄り、特におばあちゃんなどが熱心にお集りになっておりまして、ご馳走を用意して待っていて下さった。
まあ、中国も乾杯の多い国だなあと思っていたんですが、ソ連はその中国よりさらに乾杯が多かった。なぜ乾杯が多いかと申しますと、最初の一杯は私の健康のためにと言って乾杯する。次は竹村秘書室長のために乾杯、その次は鈴木秘書のために乾杯。なにしろ私共一行は6人ですから6回乾杯するんです。その間に相手方に対する乾杯も入る。
そして、乾杯というのは全部きれいに飲み乾すと長生きするんだそうです。そういうことでソ連の方はなかなかお酒は強いんですね。そういうようなことで、きわめていい雰囲気の中でいろいろと話し合わせて頂いた。温かく迎えてくれたロシア正教
共産主義というのは「宗教は阿片だ」という考え方だと聞いておりましたので、宗教に対しては相当に厳しいだろうと思っていたんですが、実際にソ連に行ってみますと、すでに革命から64年経ちますので、非常に寛大だなあという感じがいたしました。
今から19年前の昭和38年に、核兵器禁止ということで日本の宗教代表18名が世界中に訴えて歩いたことがある。これは、当時曹洞宗の管長をなされておりました高階瓏仙老師が88歳の米寿をお迎えになるということで、皆でお祝いすることになった。ところが、この先生は一風変わった宗教家でして、「俺の88歳のお祝いよりも、俺はソ連に行ってフルシチョフに仏教を説きに行く、その時は、庭野!おまえ鞄持ちしろ」と、宗教界の集りの時に言い出した。そこからこの話が始まったわけなんです。当初はソ連に行ってフルシチョフに説法してくると、こういうことだったんですが、ソ連だけではなくしてバチカンのローマ法王さまを初めイギリス聖公会のカンタベリー大司教にもと、ヨーロッパをずうっと回らせてもらった。その時など、ソ連は実に冷たくて、ロシア正教との連絡すらできなかった。ところが今回はロシア正教六千万の人たちが挙げて歓迎して下さった。どこへ行っても、それこそ下へも置かないような騒ぎなんです。
スターリンは、元は神学校の優等生だったんですね。本当は神父さんになるはずの人だったんです。ところがその優等生が「余り神にお任せし過ぎていたんでは人間は実際には救われない」と、スターリンは優等生で頭がいいだけに共産党に入っちゃった。ところが、64年という年輪を重ねるうちにはやはり状況がだいぶ変わってきた。
中国もかつては「宗教は阿片だ」ということであったんですが、今から7年のプリンストン会議の時からWCRPに参加して下さるようになったんです。それ以来、それこそがらりと中国政府の宗教政策が変わってしまいまして、「政治家がもしも宗教を弾圧するようなことがあったら、二年以下の禁錮に処す」という刑法147条というのができた、どういうことでこうなったのかと申しますと、プリンストン会議に参加されました方々が中国に帰りまして、北京の方は北京で、南京の方は南京で、上海の方は上海で各々帰朝報告をなされた。その集会の中で出てきました意見が、中国政府に提起されまして、こうした法律が制定されることになったんだと聞いております。温かく迎えてくれたロシア正教
共産主義というのは「宗教は阿片だ」という考え方だと聞いておりましたので、宗教に対しては相当に厳しいだろうと思っていたんですが、実際にソ連に行ってみますと、すでに革命から64年経ちますので、非常に寛大だなあという感じがいたしました。
今から19年前の昭和38年に、核兵器禁止ということで日本の宗教代表18名が世界中に訴えて歩いたことがある。これは、当時曹洞宗の管長をなされておりました高階瓏仙老師が88歳の米寿をお迎えになるということで、皆でお祝いすることになった。ところが、この先生は一風変わった宗教家でして、「俺の88歳のお祝いよりも、俺はソ連に行ってフルシチョフに仏教を説きに行く、その時は、庭野!おまえ鞄持ちしろ」と、宗教界の集りの時に言い出した。そこからこの話が始まったわけなんです。当初はソ連に行ってフルシチョフに説法してくると、こういうことだったんですが、ソ連だけではなくしてバチカンのローマ法王さまを初めイギリス聖公会のカンタベリー大司教にもと、ヨーロッパをずうっと回らせてもらった。その時など、ソ連は実に冷たくて、ロシア正教との連絡すらできなかった。ところが今回はロシア正教六千万の人たちが挙げて歓迎して下さった。どこへ行っても、それこそ下へも置かないような騒ぎなんです。
スターリンは、元は神学校の優等生だったんですね。本当は神父さんになるはずの人だったんです。ところがその優等生が「余り神にお任せし過ぎていたんでは人間は実際には救われない」と、スターリンは優等生で頭がいいだけに共産党に入っちゃった。ところが、64年という年輪を重ねるうちにはやはり状況がだいぶ変わってきた。
中国もかつては「宗教は阿片だ」ということであったんですが、今から7年のプリンストン会議の時からWCRPに参加して下さるようになったんです。それ以来、それこそがらりと中国政府の宗教政策が変わってしまいまして、「政治家がもしも宗教を弾圧するようなことがあったら、二年以下の禁錮に処す」という刑法147条というのができた、どういうことでこうなったのかと申しますと、プリンストン会議に参加されました方々が中国に帰りまして、北京の方は北京で、南京の方は南京で、上海の方は上海で各々帰朝報告をなされた。その集会の中で出てきました意見が、中国政府に提起されまして、こうした法律が制定されることになったんだと聞いております。中国という国は、原則というものを非常に大事になされるんですね。ですから、すでに決められたこと(宗教は阿片であるということ)など、とても変えることはできないはずなんですが、そこは革命からまだ日の浅い中国ですから、一度WCRPに参加しただけでそのような刑法が新たに定められまして、そしてまた今年の5月にまいりましたら「信教の自由」をちゃんと憲法に明記することになったと、こういうことでありました。このように、世界の宗教者の結束、WCRPという宗教家の努力が共産主義国家の中でも歴然と現われてきているのであります。
宗教問題評議会というところにもいったんですが、そこの副議長さんが出てまいりまして、今後どういう形で宗教協力するかということを話し合った。事務所だと言うものですから、事務を執っているだけだろうと思っていたんですが、日本から宗教家が来るというので大勢の方々が首を長くして待っておられた。そういう状態でした。そして、こういう点はどうなっているんだ、ああいう点はどうだというようにたくさん質問も出まして、たいへん有意義な話し合いをさせて頂いた。しかも私が日本からの招待客であるということで、本当に真剣に受け止めて下さる。そういうことで、たいへんに嬉しく旅行させて頂きました。
先程、竹村君も言っておりましたが、ゲラシー・ウィリーというソ連最高会議幹部会の副議長と会見したんですが、「クレムリンに入ってくるなんて、あんたは本当に度胸のいい勇気ある男だ」なんて開口一番に言われまして、少々びっくりしたわけですけれども、「いや、私は別に勇気なんてないんです。人間はみんな仏性を持っている。すべて仏の子だとただただ信じておりますから、どこにまいりますにも、ちっとも勇気も決断もいらないんです」と、こう申し上げたんです。そうしますと、初めはちょっと真剣な顔をしておりましたが、私がそんな調子ですから次第に向うも言葉が柔かになってまいりまして、次から次へといろいろな話題が出てきまして本当に和やかに話し合わせて頂いたのであります。
革命からすでに60年以上経つので、やはりだんだんと人間性が戻ってきているんだなあと私は感じさせて頂きました。中国という国は、原則というものを非常に大事になされるんですね。ですから、すでに決められたこと(宗教は阿片であるということ)など、とても変えることはできないはずなんですが、そこは革命からまだ日の浅い中国ですから、一度WCRPに参加しただけでそのような刑法が新たに定められまして、そしてまた今年の5月にまいりましたら「信教の自由」をちゃんと憲法に明記することになったと、こういうことでありました。このように、世界の宗教者の結束、WCRPという宗教家の努力が共産主義国家の中でも歴然と現われてきているのであります。
宗教問題評議会というところにもいったんですが、そこの副議長さんが出てまいりまして、今後どういう形で宗教協力するかということを話し合った。事務所だと言うものですから、事務を執っているだけだろうと思っていたんですが、日本から宗教家が来るというので大勢の方々が首を長くして待っておられた。そういう状態でした。そして、こういう点はどうなっているんだ、ああいう点はどうだというようにたくさん質問も出まして、たいへん有意義な話し合いをさせて頂いた。しかも私が日本からの招待客であるということで、本当に真剣に受け止めて下さる。そういうことで、たいへんに嬉しく旅行させて頂きました。
先程、竹村君も言っておりましたが、ゲラシー・ウィリーというソ連最高会議幹部会の副議長と会見したんですが、「クレムリンに入ってくるなんて、あんたは本当に度胸のいい勇気ある男だ」なんて開口一番に言われまして、少々びっくりしたわけですけれども、「いや、私は別に勇気なんてないんです。人間はみんな仏性を持っている。すべて仏の子だとただただ信じておりますから、どこにまいりますにも、ちっとも勇気も決断もいらないんです」と、こう申し上げたんです。そうしますと、初めはちょっと真剣な顔をしておりましたが、私がそんな調子ですから次第に向うも言葉が柔かになってまいりまして、次から次へといろいろな話題が出てきまして本当に和やかに話し合わせて頂いたのであります。
革命からすでに60年以上経つので、やはりだんだんと人間性が戻ってきているんだなあと私は感じさせて頂きました。初め人間は一人だった
私共一行を、最初から最後まで側にいていろいろと面倒みて下さった方、この方はクレミントという名前の司教さんだったんですが、この方が、ロシア正教のバイブルの一節を教えてくれた。どの宗教も同じようなことになるもんだなあと思ったんですが、「初め、人間は一人であった」と。これは宇宙の成り立ちを教えてるんですが、初めは一人であった。一人からだんだんと増えてきたんだと。「だから宗教は一つだ」と、こういう言葉がロシア正教のバイブルの中にあるんだそうです。なかなか面白いですね。こういう言葉で、ロシア正教では万教同根ということを教えているんだそうです。
信仰心の篤いソ連の人々
ザゴロスという大修道院へもご案内頂いたのですが、「これは300年前の建物」、「これは150年前」「これは100年前」と説明を受けたんですが、その中に入ってみますと〝信は荘厳より生ず〟というのはこのことだと思いましたね。なるほど、まさしくここから信心が起こるんだなあと。柱など、どれもこれもみんな金ピカでまぶしいほどでした。いろいろな絵も飾ってあったんですが、額縁まで金ピカ。
そしてまた、そこでのお祈りの声が、また何ともいえないいい声なんです。革命後はしばらく信教の自由というのはなかったらしいんですが、最近はこの信教の自由というのも大事だということになってきているんだそうです。今年、ロシア正教の学校、神父さんを養成する学校なんですが、そこへ入学した若者が100名いるそうです。去年は90名、今年は100名。
私はまた修道院と言うものですから西ヨーロッパの修道院を連想いたしまして、てっきり女性の尼さんの学校かと勘違いしておりましたら、全員男性なんですね。そして、どういう基準で選考されるのかと申しますと、声のよさも一つの基準になるんだそうです。そのように、何千万というロシア正教の信者の中から、声のいい人だけが選ばれて入学してくる。その方々がこの日のお祈りをやっておられたのですから、それはすばらしいものでした。
小さな、佼成会でいえばお経典ですが、これを手に持ちまして、肩には金ピカの凄い袈裟をかけているんですが、長いものですからその端を手に巻いてお祈りをなされる。音頭を取られる方が、また一段とすばらしい声で音頭を取られる。その両側に黒い服を着た方々が20人くらい居並びまして、一斉に唱和なされる。その声がまたすばらしいんです。
ここの建物は鉄筋かと思っておりましたら、木造だというんですね。木造だとすると、いったいどんな手入れをしてるのか。300年経っているというのに全然毀れたところがなくて、ピカピカなんです。相当なお金をかけなければとてもあれほどきれいにはしてられないはずです。それを見まして、ソ連の方々の信仰心の篤さというものがよく分かりましたね。初め人間は一人だった
私共一行を、最初から最後まで側にいていろいろと面倒みて下さった方、この方はクレミントという名前の司教さんだったんですが、この方が、ロシア正教のバイブルの一節を教えてくれた。どの宗教も同じようなことになるもんだなあと思ったんですが、「初め、人間は一人であった」と。これは宇宙の成り立ちを教えてるんですが、初めは一人であった。一人からだんだんと増えてきたんだと。「だから宗教は一つだ」と、こういう言葉がロシア正教のバイブルの中にあるんだそうです。なかなか面白いですね。こういう言葉で、ロシア正教では万教同根ということを教えているんだそうです。
信仰心の篤いソ連の人々
ザゴロスという大修道院へもご案内頂いたのですが、「これは300年前の建物」、「これは150年前」「これは100年前」と説明を受けたんですが、その中に入ってみますと〝信は荘厳より生ず〟というのはこのことだと思いましたね。なるほど、まさしくここから信心が起こるんだなあと。柱など、どれもこれもみんな金ピカでまぶしいほどでした。いろいろな絵も飾ってあったんですが、額縁まで金ピカ。
そしてまた、そこでのお祈りの声が、また何ともいえないいい声なんです。革命後はしばらく信教の自由というのはなかったらしいんですが、最近はこの信教の自由というのも大事だということになってきているんだそうです。今年、ロシア正教の学校、神父さんを養成する学校なんですが、そこへ入学した若者が100名いるそうです。去年は90名、今年は100名。
私はまた修道院と言うものですから西ヨーロッパの修道院を連想いたしまして、てっきり女性の尼さんの学校かと勘違いしておりましたら、全員男性なんですね。そして、どういう基準で選考されるのかと申しますと、声のよさも一つの基準になるんだそうです。そのように、何千万というロシア正教の信者の中から、声のいい人だけが選ばれて入学してくる。その方々がこの日のお祈りをやっておられたのですから、それはすばらしいものでした。
小さな、佼成会でいえばお経典ですが、これを手に持ちまして、肩には金ピカの凄い袈裟をかけているんですが、長いものですからその端を手に巻いてお祈りをなされる。音頭を取られる方が、また一段とすばらしい声で音頭を取られる。その両側に黒い服を着た方々が20人くらい居並びまして、一斉に唱和なされる。その声がまたすばらしいんです。
ここの建物は鉄筋かと思っておりましたら、木造だというんですね。木造だとすると、いったいどんな手入れをしてるのか。300年経っているというのに全然毀れたところがなくて、ピカピカなんです。相当なお金をかけなければとてもあれほどきれいにはしてられないはずです。それを見まして、ソ連の方々の信仰心の篤さというものがよく分かりましたね。小遣いを頂く
もう一つ驚かされたことは、ソ連に着きまして一夜明けていよいよ出発するということで玄関にまいりましたら、例のクレミント司教さんが私共に絵葉書きくらいの紙包みを下さった。開けてみましたら、何と中にお金が入ってるんです。そして、「これから一週間ソ連にいるうちに、ソ連の通貨でないと買えない場所もある。だからこのお金を使って下さい」と言うんです。
「いったい、このお金はどれくらい値打ちがあるんですか」と聞いてみましたら、私に下さった金額はソ連の労働者の月給の二ヵ月分なんだそうです。他の人は、申し訳ないけど、一ヵ月分だと言うんです。
なにしろ神父さんから小遺いをもらっちゃったんだから、これはどうもたいへんなことだなあと思って通訳に聞いてみたんです。そうしたら、二ヵ月分の月給というのは日本円に換算すると10万5千円くらいだと言うんです。ちょっと少ないような気もするんですけれども、なにしろソ連は家賃も医療費も教育費もいらないんですから、これはたいへんな金額なんです。共産党の国というのはその点ではいいですね。必要なのは自分が食べる分だけで、それ以外のものはまったくいらない。
WCRPのお役で私は、13年間世界中を回らせて頂きましたけれども、お布施を頂いたのは初めてなものですから、もうビックリしまして、その日の夕食の時にお礼を申し上げた。そうしましたら、「ロシア正教では、どんなお客さまであっても、こちらの招待でおいでになられた場合には、こうするのが常道でございますから、どうかご遠慮なくご自由にお使い下さい」と、こういうご返事でした。小遣いを頂く
もう一つ驚かされたことは、ソ連に着きまして一夜明けていよいよ出発するということで玄関にまいりましたら、例のクレミント司教さんが私共に絵葉書きくらいの紙包みを下さった。開けてみましたら、何と中にお金が入ってるんです。そして、「これから一週間ソ連にいるうちに、ソ連の通貨でないと買えない場所もある。だからこのお金を使って下さい」と言うんです。
「いったい、このお金はどれくらい値打ちがあるんですか」と聞いてみましたら、私に下さった金額はソ連の労働者の月給の二ヵ月分なんだそうです。他の人は、申し訳ないけど、一ヵ月分だと言うんです。
なにしろ神父さんから小遺いをもらっちゃったんだから、これはどうもたいへんなことだなあと思って通訳に聞いてみたんです。そうしたら、二ヵ月分の月給というのは日本円に換算すると10万5千円くらいだと言うんです。ちょっと少ないような気もするんですけれども、なにしろソ連は家賃も医療費も教育費もいらないんですから、これはたいへんな金額なんです。共産党の国というのはその点ではいいですね。必要なのは自分が食べる分だけで、それ以外のものはまったくいらない。
WCRPのお役で私は、13年間世界中を回らせて頂きましたけれども、お布施を頂いたのは初めてなものですから、もうビックリしまして、その日の夕食の時にお礼を申し上げた。そうしましたら、「ロシア正教では、どんなお客さまであっても、こちらの招待でおいでになられた場合には、こうするのが常道でございますから、どうかご遠慮なくご自由にお使い下さい」と、こういうご返事でした。何年も念じていたソ連行き
ソ連に行って世界平和を訴えてきたいということ、これは何年も前から念じ続けていたことでしたが、今年やっとそれが実現した。まあ、行く前からソ連に行ったら政治家に世界平和を訴えるんだなんて、行かないうちから私はいい加減なことを申し上げていたんですが、しかし、私はどうしてもソ連に行きたいと、こう思っていたんです。
そして、今年ようやくソ連に行く手配がつきまして、私共WCRPの世界平和に対する考え方、「もしソ連とアメリカが核戦争などしてしまったら、もう人類は滅亡でしょう」と申し上げましたら、「それはよく分かっている」と。ソ連では特にそのことを強調されまして、平和でなければ人類の幸せというものはないんだと、こう言うもんですから、「その平和のために私共WCRPは活動しているんです。ですから、どうか戦争をしないという、このことだけは一つどうしても守って頂きたい」とソ連の外務省や最高会議幹部会の方々に申し上げてまいりました。本会の活動を高く評価しているソ連
特にソ連の方が関心を持っておりましたのは、佼成会がわずか2ヵ月の間に2700万名もの署名を集めたということ、皆さま方が平和に対してたいへんな関心を持たれているということ、この点でありました。ソ連では皆さま方の活動振りを非常に高く評価しておられました。
ソ連の方では私共の活動というものを本当によく知っておられるんですね。佼成会が非常に真面目な宗教活動をしていることに対して、たいへんな賛嘆の言葉を頂いてまいりました。これは、私自身が頂いたのではなくして、皆さま方一人びとりが頂いたのですからここでご報告申し上げたいと思います。このようなことで、神仏を本当に信じて拝んでいくならば、「人間は初め一人であった」んですから、人類はみんな兄弟なのでありますから、神の子供同士が仲良くしていけない道理はないと。ソ連の皆さま方も私共WCRPの仲間と、一生懸命に信心を強情にして、この世界から、戦争をしようなどという不心得者が出ないようにしていきたい。共に頑張ろうと。こういうことでたいへんな歓待を受けて帰ってきた。これが実情でございます。
ソ連の方々はこのようにすばらしいんだということを学ばせて頂いたわけですが、こういうことであったのならばもっともっとWCRPの方でも頑張って頂いて、もっと何かのお役をつけて頑張ってもらえばよかったかなあという気もしました。まあ、これもちょうど時が来ているんでございましょう。何年も念じていたソ連行き
ソ連に行って世界平和を訴えてきたいということ、これは何年も前から念じ続けていたことでしたが、今年やっとそれが実現した。まあ、行く前からソ連に行ったら政治家に世界平和を訴えるんだなんて、行かないうちから私はいい加減なことを申し上げていたんですが、しかし、私はどうしてもソ連に行きたいと、こう思っていたんです。
そして、今年ようやくソ連に行く手配がつきまして、私共WCRPの世界平和に対する考え方、「もしソ連とアメリカが核戦争などしてしまったら、もう人類は滅亡でしょう」と申し上げましたら、「それはよく分かっている」と。ソ連では特にそのことを強調されまして、平和でなければ人類の幸せというものはないんだと、こう言うもんですから、「その平和のために私共WCRPは活動しているんです。ですから、どうか戦争をしないという、このことだけは一つどうしても守って頂きたい」とソ連の外務省や最高会議幹部会の方々に申し上げてまいりました。本会の活動を高く評価しているソ連
特にソ連の方が関心を持っておりましたのは、佼成会がわずか2ヵ月の間に2700万名もの署名を集めたということ、皆さま方が平和に対してたいへんな関心を持たれているということ、この点でありました。ソ連では皆さま方の活動振りを非常に高く評価しておられました。
ソ連の方では私共の活動というものを本当によく知っておられるんですね。佼成会が非常に真面目な宗教活動をしていることに対して、たいへんな賛嘆の言葉を頂いてまいりました。これは、私自身が頂いたのではなくして、皆さま方一人びとりが頂いたのですからここでご報告申し上げたいと思います。このようなことで、神仏を本当に信じて拝んでいくならば、「人間は初め一人であった」んですから、人類はみんな兄弟なのでありますから、神の子供同士が仲良くしていけない道理はないと。ソ連の皆さま方も私共WCRPの仲間と、一生懸命に信心を強情にして、この世界から、戦争をしようなどという不心得者が出ないようにしていきたい。共に頑張ろうと。こういうことでたいへんな歓待を受けて帰ってきた。これが実情でございます。
ソ連の方々はこのようにすばらしいんだということを学ばせて頂いたわけですが、こういうことであったのならばもっともっとWCRPの方でも頑張って頂いて、もっと何かのお役をつけて頑張ってもらえばよかったかなあという気もしました。まあ、これもちょうど時が来ているんでございましょう。仏教は国境や人種を超えて
私が第一回目の国連軍縮特別総会で話したこと、そして第二回目で話したこと、これもソ連では「あなたの演説は実にすばらしかった」と言っておられましたので、私が言いたかったことは十分に分かっておられるようでございます。
なにしろ今は情報化社会ですから、私がどこで何を言ったか、すぐに世界中に伝わってしまうんですね。まあ、ソ連ではいろいろなところに盗聴器が仕掛けてあるなんて言ってる人がいましたが、私はどこに何か仕掛けてあったっていいと思うんです。私共は神仏に誓って、どこの国をごまかそうとか、うまいことを言ってとり入ろうとか、そういうような気持ちはいささかもないんですから。
ひたすら仏弟子として仏さまの教えをお伝えさせて頂く。そういうことで五戒を基本にいたしまして、殺生戒、不偸盗戒、不妄語戒と説かして頂いた。最近は日本でも離婚が方々にある。ソ連では日本よりも余計にあるそうでございます。ソ連は男女平等の国ですから女性が相当に高い位置に就いていて、賃金も男性と同じですからソ連女性は相当に生活力がある。ですから離婚率も相当に高いということでした。それに対しては不邪淫戒を説きますと、ちょっと耳が痛そうな顔をなされる。
また、ソ連は寒い国のせいかお酒をたくさん飲まれる。そこで、体を痛めるような飲み方をしてはいけませんよと。健康のために、今日一日の疲れを取るために楽しくお酒を頂く。明日に差し支えるような飲み方ではいけないんだと。これが仏さまの教えでございますとお話しましたら、非常によく分かって下さいました。
そういう意味で、私共はこうした仏さまの教えをそのままに実践させて頂いておりますれば、世界共通でございますのでどこへ行っても咎められるようなことはございません。ですから、どうか安心して世界平和に向って活動して頂きたいということをお願い申し上げまして本日の説法を終りといたします。ご清聴有り難うございました。以 上
仏教は国境や人種を超えて
私が第一回目の国連軍縮特別総会で話したこと、そして第二回目で話したこと、これもソ連では「あなたの演説は実にすばらしかった」と言っておられましたので、私が言いたかったことは十分に分かっておられるようでございます。
なにしろ今は情報化社会ですから、私がどこで何を言ったか、すぐに世界中に伝わってしまうんですね。まあ、ソ連ではいろいろなところに盗聴器が仕掛けてあるなんて言ってる人がいましたが、私はどこに何か仕掛けてあったっていいと思うんです。私共は神仏に誓って、どこの国をごまかそうとか、うまいことを言ってとり入ろうとか、そういうような気持ちはいささかもないんですから。
ひたすら仏弟子として仏さまの教えをお伝えさせて頂く。そういうことで五戒を基本にいたしまして、殺生戒、不偸盗戒、不妄語戒と説かして頂いた。最近は日本でも離婚が方々にある。ソ連では日本よりも余計にあるそうでございます。ソ連は男女平等の国ですから女性が相当に高い位置に就いていて、賃金も男性と同じですからソ連女性は相当に生活力がある。ですから離婚率も相当に高いということでした。それに対しては不邪淫戒を説きますと、ちょっと耳が痛そうな顔をなされる。
また、ソ連は寒い国のせいかお酒をたくさん飲まれる。そこで、体を痛めるような飲み方をしてはいけませんよと。健康のために、今日一日の疲れを取るために楽しくお酒を頂く。明日に差し支えるような飲み方ではいけないんだと。これが仏さまの教えでございますとお話しましたら、非常によく分かって下さいました。
そういう意味で、私共はこうした仏さまの教えをそのままに実践させて頂いておりますれば、世界共通でございますのでどこへ行っても咎められるようなことはございません。ですから、どうか安心して世界平和に向って活動して頂きたいということをお願い申し上げまして本日の説法を終りといたします。ご清聴有り難うございました。以 上