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 どちらかというと、先ほども(咳払い)、内田くんの言葉からもありましたように、世界の平和っということに対しては、一つの、お、執念、エヘ(笑)、というほど、考えているらしいっていうことをいわれましたが、そのとおりでありまして、この世の中の争いということをなくしなければならないっていうことがわたしの念願でありますので、そういう意味では、松下先生と一緒に旅行へ出て、いろいろの、各国を回られて、え、外交辞令っていうものはなるほど、日本(にほん)の国で考えたように、わけにいかないと。向こうの国の国柄やら、宗教のあり方やら、いろいろのことが違いますことと、非常に難しい問題を、まとめていこうというのには、松下先生のように、この大きな包容力をもって、あまりその一つのことに、いー、固執(こしつ)しないと。わたしは固執(こしつ)しないようの自分で性分のつもりでおったんですが、松下先生と一緒に旅行してみるというと、どうもわたくしどもは少し、まだその、自分の思うとおりに、持って行こうっという気持ちがその、執念のごとく、現れてるわけであります。ところが、旅行に出てみるというと、そういうわけになかなか、向こうさまはいうことを聞いてくださらない。ま、幸いに、いー、出発前からの、お会いしようという松下先生のスケールであったところの、宗教家に対しては、順々と、第いちばん目に、いー、ローマにおきまして、バチカンのパウロ6世、法王に、ま、総員謁見ということでお会いすることもできましたので、滑り(「すみ」と発音)出しがよかったし、だんだんと、その先その先と、ジュネーブにおいても、ソ連においても、また、あ、ロンドンにおいても、それぞれ、予定の、宗教家にお会いしようというメンバーには、会えたのであります。
 ところが残念ながら、政治家には会いないと。1国を代表してるところの、大統領、首相(「しゅそう」と発音)というようの方に、いちばんこの問題をわれわれがその、宗教家として申し上げたいという、念願で出たのでありますが、それが、あー、全然、かなわないということになりまして、(咳払い)団長は、え、しかもお忙しいということで、え、ロンドンで、すでに、いー、団から離団致しまして帰国ということになり、団長が離団して帰るということになりましたところが、え、禅宗の、管長でありますところの、高階瓏仙先生は、ソ連に行って88歳の老齢を引っ提げて、え、仏教を説いてくるんだということを去年の12月、わたくしどもの対談の時に、松下さんとわたしと、イシザカ先生と四人の対談の時にそういう話であったんでありますが、え、それを非常にこれまた高階先生は、年寄りの、一つの失言といいますか、そういうつもりでいったんでありましたが、フルシチョフがいないで、お会いできないという時の、非常にこの高階先生は、気持ちが動揺したようでございました。

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