その道その道の専門によって真実な心を発し、職に殉ずる態度と、重ね重ね経験を深めて行くならば、「諸法実相」の円理に契(かな)う人は、相当にあると思います。 岡本かの子・日本(岡本かの子全集九巻)
衆生仏を礼(らい)すれば、仏これを見たもう。衆生仏を唱うれば、仏これを聞きたもう。衆生仏を念ずれば、仏も衆生を念じたもう。 法然上人・日本(勅修御伝)
この世の人は だれも煩悩にしばられている この世の煩悩を解き放そうと あなたは長い間慈悲にしばられていた 生死流転のおそろしさを知ってはいるが 慈悲の心にとめられて …
有情非情とは、まず大方にもうけたる分際(ぶんざい)なり。一切の物に情なきにてはあるべからず。情のかわりたるを以て、なしといえるにや。 沢庵禅師・日本(玲瓏集)
一心を二心に致さぬがようござる。 盤珪禅師・日本(盤珪禅師語録)
たよりになるのは くらかけつづきの雪ばかり 野はらもはやしも ぽしやぽしやしたり黝(くす)んだりして すこしもあてにならないので ほんたうにそんな酵母のふうの…
仏道は、初発心のときも仏道なり、成正覚のときも仏道なり、初中後ともに仏道なり。たとえば万里をゆくものの、一歩も千里のうちなり、千歩も千里のうちなり、初一歩と千歩とことなれども、千里のおなじきがごとし。 道元禅師・日本(…
生死即涅槃と体するを名づけて定となし、 煩悩即菩提に達するを慧となす。 天台大師・中国(法華玄義九)
親によき物を与えんと思いて、せめてやるものなくば、一日に二三度笑みて向え。 日蓮聖人・日本(上野殿御消息)
唯一の権利--そしてこれは仏教徒にとって同時に義務でもある--は、仏陀が覚りに達するために歩めと教えた道(中略)、そして自分で歩んでみて真理であることに気づいた道を、万人の前に提供することに外(ほか)ならない。 C・…
一切ノ法ハタダ道理トイウニ文字ガモツナリ。其外ニハナニモナキ也。ヒガコトノ道理ナルヲ、シリワカツコトノキワマレル大事ニテアルナリ。 慈円大僧正・日本(愚管抄巻七)
他力ということ、易行(いぎょう)などともいうが、実は容易なことではない。他力といったら、自分は微塵もなしに、全部あなたまかせに、まかせなければならない。 沢木興道・日本(禅とは何か)
ここに縁あって来た人は、縁くらい恐ろしいものはないのですから、どうぞひとつこれからさきざき、三日でも竜沢寺の飯を食っておった、あああの人は違うというように、すべてやっていただかねばならん。お願い申すことはそれよりない。 …
克己の人には人格の深みがあり、さらに人格の深みから品位が生ずる。品位から光輝が生じ、またその光輝から威信が生ずる。 ナーガールジュナ・インド(ラトナーヴァリー)
返す返すも今に忘れぬ事は、頸切られんとせし時、殿は供して馬の口に付きて泣き悲しみ給いしをば、いかなる世にも忘れ難し。たとい殿の罪深くして地獄に入り給わば、日蓮をいかに仏になれと釈迦仏のこしらえさせ給うとも、用い参らせ候べからず。…
「お坊さま、このお経の教えは、つまりわたくしも観音さまになれということでございますね」 二宮金次郎・日本(『二宮尊徳』)
「わたしは貴僧に招待されて来たのではなく、ヤソ教に招待されて来たのですから、その悪口は言えません」 山崎辨栄上人・日本(仏教布教大系第十九巻)
一切世間の治生産業、ことごとく取り用いて我が実相智印となす。 慈雲尊者・日本(『人と為る道』)