【機関紙誌】
人のかなしみ時には擔(にな)い よろこびを人に送りて みづからをむなしくはする 女人(にょにん)われこそ観世音ぼさつ 岡本かの子・日本(岡本かの子全集・九巻)
念仏の機に三品(ぼん)あり。上根は、妻子を帯し家に在りながら、著(じゃく)せずして往生す。 一遍上人・日本(一遍上人語録)
妄念のうちより申しいだしたる念仏は、濁(にごり)にしまぬ蓮(はちす)のごとくにして、決定(けつじょう)往生うたがいあるべからず。 恵心僧都源信・日本(横川法語)
ほんとうに正しい信仰をもって来るならば、自然と自分はどこへゆくのだと、はっきり行手(ゆくて)がわかってこなくてはならなぬ。仰ぎ、伸びる気持、「自分はあそこへゆくのだな」という、目のあいた気持です。 友松円諦・日本(法句経講義)
善人なおもて往生をとぐ、いわんや悪人をや。 親鸞上人・日本(歎異抄)
貴僧は、まだ女を背負っていたのか。 原坦山・日本(仏教布教大系)
実際の体験ある人の書はみな読むに価いする。いわんや実際の体験による信仰を述べたものはなおさらのことである。 清沢満之・日本(近代の仏教者)
大道無門 無門慧開・中国(無門関・序)
広大な宇宙と矮少(わいしょう)な自分とは、同じ一つの道、地続きだということを体得するがよい。 沢木興道・日本(禅とは何か)
弥陀の五劫思惟(ごこうしゆい)の願をよくよく案ずれば、ひとえに親鸞一人がためなりけり。 親鸞上人・日本(歎異抄)
百尺竿頭一歩を進める 宏智禅師・中国(従容録七四則)
大いなるものにいだかれあることをけさふく風のすずしさにしる 山田無文・日本(手を合わせる)
随処に主となれば立処みな真なり。 臨済禅師・中国(臨済録)
他は是れ吾れに非ず 用某典座・中国(典座教訓)
啐啄同時(そったくどうじ) 碧巌録第十六則の評・中国(禅林宝訓音義)
片海・市河・小湊の磯のほとりにて昔見しあまのりなり。色形味わいも変らず、など我父母変らせ給いけんと、方違(かたたが)えなる恨めしさ、涙抑え難し。 日蓮聖人・日本(新尼御前御返事)
絶えず善行を行なっていると、だんだん情緒が美しくなっていって、その結果、他の情緒がよくわかるようになり、それでますます善行を行なわずにいられないようになるのである。 岡潔・日本(春宵十話)
(報身仏としては)、法身よりうけたるわれらが心識(こころ)は仏性と申して、仏になり得らるる卵にて候。卵は産み出されても、母雞のあたたかなるふところの裡(うち)にあたためられねば孵化(ふか)せぬ。われらが仏性の心性も、報身仏の慈悲の懐に摂(…
人間の職種あるいは地位というものが、人間であることに優先してはいけないんだ、ということを心しようではないか。 東昇・日本(人間が人間であるために)
夫れ一心に十法界を具し、一法界に又十法界を具す。 天台大師・中国(摩訶止観巻五上)