最近、みなさまの生活があまりにもいいもんだから世の中を救おうという、こんなに救われているというほうに重点があって、自分のいまのこの状態を崩さないでいきたいという考えでもって消極的になっているんです。これがいちばん救われない種なんです。救われない種はそこにあるんです。こんなに救われているんだから、世界の状態をながめて、ひとつ不幸な人を幸せにしようと奮起すればいいんです。
現在、おなかいっぱい食べて、物がたくさんあるという国が世界の二〇%です。ひもじい思いをして、食べることに大変な国は八〇%なんです。二割の人がおなかいっぱい食べて楽々と物がある。そういう状態だから、中近東にしても南方にしても争いが起きるんです。私はさっき金持ちはけんかしないと言ったが、ほんとうに金のある人はけんかをしないでもいい状態なんです。食うものも、金もないからけんかが起こるという問題なんです。そういう問題を人のことだと思って知らぬ顔をしているような考えでは、いま安泰だと思っても、諸行は無常です。無常迅速の風がいつ早くくるかわからないのです。この八〇%の人にもおなかいっぱい食べさせる方法を考えてあげようという神の愛、仏の慈悲がなければ、世界は平和にならないのです。アメリカなどは金はある。金物でけんかをしなければいいのにベトナム戦争をしている。これは道楽で人に戦争さしておもしろがっているといっても言い過ぎではないと思うのです。大国が小国の力のない、食うに困るような国にけんかをさしていつまでも楽しんでいるというのは許されないことです。ですから世の中の心ある人が、ほんとうに意思を固めて、そして世界の政治というものは、そういう邪道はすみやかにやめさせるという、そうゆう形のことが、ちゃんと呼ばれなければならない、こういうことがいまの時代の法華経を弘める者の役じゃないか、私はそう思っているのです。