自他の区別なく全ての幸せを…
現在を大切にするということは、自分自身が仏の教えを身に付けて、『一心欲見仏 不自惜身命』という心で、一心に修行することです。
目連尊者のお母さんは、自分の子供だけ幸せになればよいという気持であったために、地獄で苦しまなければならなかったわけです。
本来、母親が自分の子供の幸せを願うことは当然であります。
しかし、今のお母さま方の中には自分はやることをやり、子供も一所懸命に勉強しているからそれでよい、というような考えの人が多いようですが、それだけではまだ足りないのです。
自他の区別なく、すべての人々が幸せになれるようにという考え方にならなければならない。そのように考えることが仏さまの教えであり、そこに仏教の偉大さがあるのです。
佼成会に導かれたご家庭を見ますと、信仰のなかった時と信仰に入ってからでは、まるで違った幸せな状態になります。それは、どこが変わったのかと申しますと、自他の区別のない平等観に立って、人さまのために尽くせる心になれたということであります。
「平和憲法」遵守のお陰で豊かに
現在、世の中は目覚ましい科学の進歩によって、食物の生産など抑制しなければ余ってしまうほど豊かになってまいりました。
しかし、一方では地球上の四十二億と言われる人類のうち、約八億の人々が飢えに苦しんでいるという状態にあります。それはちょうど、戦時下の日本が食糧難で苦しんだような状態であるわけです。
しかし、日本は三十数年間平和憲法を守り続け、戦争を起こさなかったお陰で、今日のような豊かな国になったのです。
ところが、諸外国では今も常に戦争を想定して武器を蓄えておかなければならないということで、莫大な財政を軍備のために費やさなければならないために、人々の生活は困難になっているのであります。
例えば、アメリカやソ連のような大国においても、軍備増強のために財政困難の状態になっているわけであります。
つまり、困難な状態をつくり出しているのは、常に戦争が絶えないということであります。そこで、大国が戦争をなくすために本気になって取り組み、軍備に投じている莫大な費用のうち、わずか三パーセントの費用を、飢餓に苦しむ人々へ援助してあげたならば、すべての人々が飢えから救われるということが、はっきり証明されているのですが、なかなか実現できないのが人間であります。