今月は、招待されてソ連に行く予定であります。
ソ連の宗教界の方々とは、WCRPの第一回京都会議にロシア正教の代表十四人がご参加くださって以来、ご一緒に活動してきているわけですが、政府の指導者とは、やはり思想的な面もあって、疎遠の状態でいたのです。
ところが中国のほうは、第二回会議の時までは、まだ時期尚早ということでなかなかご参加願えずにいたのですが、七年間も辛抱強くお願いに通い続けたのが認められまして、政府要人の方々から、WCRPの意図を説明に来るように求められました。そして私の話を聞いて納得してくださり「今度から代表を送ろう」ということで、第三回プリンストン会議からご参加いただくようになったという経緯があります。
この時、「私どもは、武力を使わない世界を実現するため、核兵器のような物騒なものを、絶対に使わないという約束をしていただくことを目的に、世界のあらゆる宗教が手をつないで努力しています」とお話ししたのですが、大いに共鳴されまして、中国も核兵器を保有しているが、造った時点で「これは絶対に使わない」ということを世界に向かって約束しているのだということで、核兵器廃絶について、意見が一致したのです。
ソ連のプレジネフさんも偉大な政治家ですから、こうしたWCRPの代表と中国要人との話し合いについて察知されたのか、また、世界の情勢から感じられたのか、今回の国連総会には外務大臣にメッセージを持たせ「人類のために核兵器は使用しない」と発表されたのです。
ご承知のように、広島、長崎で二、三十万の人を殺し、さらに戦後三十七年を経たことしも、まだ後遺症で二千五百人もの方々が苦しんでおられる、そういう原爆の百三十万倍というのが、現在世界中で保有されている核兵器の合計です。そしてその大部分をアメリカと二ヵ国で持っているソ連が、これを使わないと宣言されたということは、われわれ宗教家の願いに沿ったもので、その見識に対してのお礼を言うのが、今度の訪ソの一つの目的です。
それともう一つ、このようなソ連指導者の姿勢に対し、アメリカのレーガンさんは相変わらず軍備を増強して世界一強い国になるんだなどと、子供くさいことを言っています。そうすると、やはり相手が相手ならということも出てきます。
ですから、われわれ宗教者がすべての国の方に「絶対に戦争をしてはならない」ということを訴え、皆さんをそういう気持にしますから、超大国の指導者の方々は、どうか神さま、仏さまのみ心になって、そういう物騒なものを使うことのない世界を実現していただきたい、とそれをお願いしたいと思っているわけです。