イランと政教一致
私は先般、イランへ行ってまいりました。イランという国がアメリカの大使館を占拠して、そこに五十三人の人質を取ったということで、世界中に大きく肝を冷やすような感じがいたしました。こういう国を見ますと「政教一致」なんです。「政教分離」じゃないわけです。宗教即政治だから、一つの権力の座にそういう人が付きますと、その人の権力と宗教の権威、つまり、神の権威と権力が一緒になる――そうなると抜き差しならぬ、窮屈なものになってしまうのです。
また、それだけに一人の人を口説けば何とかなるだろう、ということで、私共日本の宗教界全体、また世界宗教者平和会議のメンバーの方々は、何とかホメイニ師に会って説得して、人質を解放したいという願いをもっていたわけです。お会いして話をすればわかることだろう、ということで、いろいろやってみたのですが、日本の外務省といえども、政府サイドでは、日本もアメリカの政治勢力によって押さえられているため、なかなかうまくいかないのです。
ですから、政府サイドでは、どうにもならない状態。しかし、宗教がそういう形のところで妙なことをして、人権に関することがもし起こったら、宗教の信頼を世界中の人から失う、そういう意味から、何とかホメイニさんに、どういう理由があるのか、ひとつ理由を聞いて「もしどうしても問題があるのならば、日本から私共が人質の代わりに行って入るから、そっちは開放してもらいたい」という思いであったわけです。