日本の国は〝大乗の国土〟
「日本は大乗相応の国土である」と、過去の宗教家のお言葉にもありますように、日本が本当に大乗仏教のとどまるにふさわしい国土であることを、つくづく感じさせていただきました。
大乗とは、一仏乗ということであり、平等ということです。
仏さまのお慈悲が行き渡り、仏さまから頂戴した本当の人間らしい心さえ持てば、すべての人々が幸せになれるということです。
しかし、アフリカのように赤道直下の厳しい気象条件の中で生きる人々は、生きていくことだけでもたいへんな苦労があり、なかなか幸せな状態にはなれないのです。
全ての恩に報いる事こそ
私共は、この日本の国土に生まれたということに大きな意味があることを悟らなければなりません。また、私たちは、両親のおかげでこの世に生を受けることができたのです。
最近では、その親の言われることを素直に聞けない人間が多くなってまいりました。ですから親孝行もなかなかむずかしいことになってくるのです。
「孝行のしたい時に親はなし」という悲しいことわざもありますように、本当に心から親孝行をしたいと感じた時には、もう親はこの世にいないということです。
また、「子を持って親の恩を知る」ということわざもありますように、自分が子供を持って初めて自分自身の親不孝を反省できるわけです。
日本においては、義務教育は徹底しましたが、教育の本質を忘れて進んだために、親に対する恩を忘れてしまったようにも思います。確かに教育を受けたおかげで書物を読んでも、その内容がどうにか解釈できるような知識を授かったわけです。この知識の恩に報いる心を、私たちは持たなければなりません。
しかし、現在では教育の心が失われ、受験戦争のような形が激化している状態であり、教育の恩恵に報いるという大切なことを忘れているようです。その結果、身勝手なことをする人間が増え、教えに反する行動が生じ、青少年の不良化が進んでまいりました。
今日、資源のない小さな国である日本が、世界に伍して大乗にふさわしい国であるということは、国民が本来は大乗にふさわしい心、仏さまの本願にふさわしい心を持っているおかげであります。
この心を、もう一歩前進させて、人格の完成を目指し菩薩道に精進していただきたいと思います。
菩薩とは、すべての人々が幸せになれるまで何回でも生まれ変わってこの娑婆世界に出現するということです。
皆さまも菩薩さまに生まれ変わったつもりになって、自分自身が身をもって厳しい修行を体験し、すべての人々に信仰を持っていただけるようご精進いただきたいと思います。