仏教者のことば64
返す返すも今に忘れぬ事は、頸切られんとせし時、殿は供して馬の口に付きて泣き悲しみ給いしをば、いかなる世にも忘れ難し。たとい殿の罪深くして地獄に入り給わば、日蓮をいかに仏になれと釈迦仏のこしらえさせ給うとも、用い参らせ候べからず。…
仏教者のことば65
「お坊さま、このお経の教えは、つまりわたくしも観音さまになれということでございますね」
二宮金次郎・日本(『二宮尊徳』)仏教者のことば66
「わたしは貴僧に招待されて来たのではなく、ヤソ教に招待されて来たのですから、その悪口は言えません」
山崎辨栄上人・日本(仏教布教大系第十九巻)仏教者のことば67
一切世間の治生産業、ことごとく取り用いて我が実相智印となす。
慈雲尊者・日本(『人と為る道』)仏教者のことば68
アクのあるのを愛という。アクのないのを慈悲という。慈悲は平等であって、愛の方は区別がある。こっちが愛したかて、向こうが愛してくれなかったら、これは成立しない。けど、向こうがどうであろうが、言うこと聞いても聞かいでも、…
仏教者のことば70
合掌。私の全生涯の仕事はこの経をあなたのお手許に届け、そしてその中にある仏意にふれて、あなたが無上道に入られんことをお願いする外ありません。
昭和八年九月二十一日
臨終の日に於て
宮沢賢治・日本