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○庭野開祖会長 関係各位に厚くお礼を申し上げます。
 わたくしは幸運にも第1回並びに第2回の軍縮特別総会に際しましても意見発表の機会に恵まれました。
 その間(かん)わたくしが一貫して米ソ首脳に主張し続けましたことは、「危険を冒してまで武装するよりも、むしろ平和のために危険を冒すべきである」ということでございました。
 と同時に世界の安全が力による恐怖の均衡ではなく、新しい価値観に基づくものでなければならぬということを申してまいりました。
 そして現在、米ソ間のINF全廃条約が締結されましたことは、新しい軍縮時代の幕開けとして高く評価したいと存じます。
 時間の制約がございますので、次に要約した5項目だけでも6月25日の閉会までに、全会一致で採択されますことを、わたくしは心から願うものであります。
 一つ、戦略核ミサイルのうち、少なくとも5割を廃棄すること。
 二つ、包括的核実験禁止の合意と調印は、すべての国が速やかに実施すること。
 3、現存する核兵器を凍結すること。
 4、世界のあらゆる国は、西暦2,000年までに全核兵器を廃棄すること。
 5、宇宙は平和的研究にのみ使われるべきものであるという見地から、SDIの開発には特に留意すべきこと。
 さて、わたくしが所属している世界宗教者平和会議では、1970年の共同会議におきまして、次のように決議していることを報告したいと存じます。
 すなわち「われわれは日本(にっぽん)の平和憲法を全人類に推奨したいと思う。われわれ宗教者はこのような憲法のあり方を守ろうとしている日本の国民に敬意を表明し、日本の国民がこの悲願の達成するよう、世界の宗教者がこれに協力するよう、心から訴えるものである」。
 ところが現在、日本の防衛費をもっと増やすべきでは、(咳払い)増やすべきではあるまいかという声も聞かれますが、それはアジアの国々に、いたずらに不安を与えるだけであります。
 それは軍縮にいちばん必要な信頼の醸成に反するものであります。
 平和とは、つとに人類の生存の問題であり、安全とは他者とともに生きるという自覚の上に成り立つものであります。
 その意味で、わたくしは「外(そと)なる平和」とともに、「内(うち)なる平和」にもっと留意すべきことを申し述べまして、わたくしの意見発表と致します。
 ご清聴ありがとうございます。(一同 拍手)

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