" 力強い信念で人類救済に立ち向かおう
人類はたいへんに進歩いたしました。科学的な問題は長足の進歩を遂げまして、日本でもそのお陰さまで人びとは長生きができ寿命はたいへんに伸びてまいりました。
そういう一面があるかと思うと、たいへんに危険性が身の周り、足元にまで来ているともいえるのであります。たとえば風のない日になりますと、光化学スモッグが発生して、何か息がつまるようでございます。
折角学校の生徒が体育祭を始めておりましても、直ちに活動を止めなければならないというような、まことにありがたくない、何かもう胸がつまるような問題がおこってきています。ですからここでいよいよ日蓮聖人のお言葉をもう一ぺん思い起こしてみなければならない。そういう時代になってきていると思うのであります。
日蓮聖人は一人ひとりの信心を強盛にしてということをおっしゃっているのでありますが、いつも時の執権に向かって、信仰の寸心を改めろといわれるのと同じように、天下万民衆生一仏乗となって、というような言葉で、妙法が一人繁昌するときに、万民一同に「南無妙法蓮華経と唱えたてまつれば、吹く風枝を鳴らさず」というようなことをおっしゃっていらっしゃる。
すべての自然というものも、お題目を唱えるということから決まっていくのだというように、天下万民に呼びかけておるわけであります。
いままた、この世界中の人類がここで信仰の寸心を改めて、本当の信じられるものをはっきりと、ごまかしのない、これはこの通りであるという、この通り歩まなければならぬ、この通り行じなければならぬ。そういうものをはっきりとつかまなければならないときであります。そして日蓮聖人のおっしゃられたような大号令が必要であり、万民が心得ていて、何か本当の救いというものはないかと、求めるような時代になってきたのであります。
そういうことになりますと、過去の日本のお祖師さまといわれる方の中で、真言宗の方にすれば弘法大師がお祖師さまだし、浄土真宗にすれば親鸞上人であり、念仏宗にすれば法然上人ということになるんですが、ふしぎにただお祖師さまというと、万民が等しく日蓮聖人をお祖師さまと、こう思うというのであります。
このようにどの宗の方もみんなそう思ってしまうという、それ程の祖師の力をもっている日蓮聖人。どうしてそんなに力があるのかと考えてみますと、非常に正直に信じ、また正直にいい表わしておったからだと思うのであります。
ご法というものをまもれば、すべてのものがかなわないことがないというような強い言葉で、法華経行者のかなわぬことはない、という強い言葉でおっしゃるのです。"