- 仏教者のことば48- 人間の職種あるいは地位というものが、人間であることに優先してはいけないんだ、ということを心しようではないか。 
 東昇・日本(人間が人間であるために)
- 仏教者のことば50- その道その道の専門によって真実な心を発し、職に殉ずる態度と、重ね重ね経験を深めて行くならば、「諸法実相」の円理に契(かな)う人は、相当にあると思います。 
 岡本かの子・日本(岡本かの子全集九巻)
- 仏教者のことば51- 衆生仏を礼(らい)すれば、仏これを見たもう。衆生仏を唱うれば、仏これを聞きたもう。衆生仏を念ずれば、仏も衆生を念じたもう。 
 法然上人・日本(勅修御伝)
- 仏教者のことば52- この世の人は 
 だれも煩悩にしばられている
 この世の煩悩を解き放そうと
 あなたは長い間慈悲にしばられていた
 生死流転のおそろしさを知ってはいるが
 慈悲の心にとめられて …
- 仏教者のことば53- 有情非情とは、まず大方にもうけたる分際(ぶんざい)なり。一切の物に情なきにてはあるべからず。情のかわりたるを以て、なしといえるにや。 
 沢庵禅師・日本(玲瓏集)
- 仏教者のことば55- たよりになるのは 
 くらかけつづきの雪ばかり
 野はらもはやしも
 ぽしやぽしやしたり黝(くす)んだりして
 すこしもあてにならないので
 ほんたうにそんな酵母のふうの…
- 仏教者のことば56- 仏道は、初発心のときも仏道なり、成正覚のときも仏道なり、初中後ともに仏道なり。たとえば万里をゆくものの、一歩も千里のうちなり、千歩も千里のうちなり、初一歩と千歩とことなれども、千里のおなじきがごとし。 
 道元禅師・日本(…
- 仏教者のことば57- 生死即涅槃と体するを名づけて定となし、 
 煩悩即菩提に達するを慧となす。
 天台大師・中国(法華玄義九)
- 仏教者のことば58- 親によき物を与えんと思いて、せめてやるものなくば、一日に二三度笑みて向え。 
 日蓮聖人・日本(上野殿御消息)
- 仏教者のことば59- 唯一の権利--そしてこれは仏教徒にとって同時に義務でもある--は、仏陀が覚りに達するために歩めと教えた道(中略)、そして自分で歩んでみて真理であることに気づいた道を、万人の前に提供することに外(ほか)ならない。 
 C・…
- 仏教者のことば60- 一切ノ法ハタダ道理トイウニ文字ガモツナリ。其外ニハナニモナキ也。ヒガコトノ道理ナルヲ、シリワカツコトノキワマレル大事ニテアルナリ。 
 慈円大僧正・日本(愚管抄巻七)
- 仏教者のことば61- 他力ということ、易行(いぎょう)などともいうが、実は容易なことではない。他力といったら、自分は微塵もなしに、全部あなたまかせに、まかせなければならない。 
 沢木興道・日本(禅とは何か)
- 仏教者のことば62- ここに縁あって来た人は、縁くらい恐ろしいものはないのですから、どうぞひとつこれからさきざき、三日でも竜沢寺の飯を食っておった、あああの人は違うというように、すべてやっていただかねばならん。お願い申すことはそれよりない。 
 …
- 仏教者のことば63- 克己の人には人格の深みがあり、さらに人格の深みから品位が生ずる。品位から光輝が生じ、またその光輝から威信が生ずる。 
 ナーガールジュナ・インド(ラトナーヴァリー)
- 仏教者のことば64- 返す返すも今に忘れぬ事は、頸切られんとせし時、殿は供して馬の口に付きて泣き悲しみ給いしをば、いかなる世にも忘れ難し。たとい殿の罪深くして地獄に入り給わば、日蓮をいかに仏になれと釈迦仏のこしらえさせ給うとも、用い参らせ候べからず。… 
- 仏教者のことば65- 「お坊さま、このお経の教えは、つまりわたくしも観音さまになれということでございますね」 
 二宮金次郎・日本(『二宮尊徳』)
