〝親〟になって初めて信仰が充実
佼成会の今日の発展は、在家の信者さん一人一人が、若者は若い仲間を、年寄りは年寄りの仲間を、一人ずつサンガに導いていくという活動によるもので、そこには一貫して、久遠実成の本仏さまがお説きくださった、妙法蓮華経の精神が伝わっています。
私がいつも「お導きをして親になってください」と言うのは、親になって初めて、その人の信仰が充実するからです。
お導きをして親となり、手どりする立場になると、その導きの子から〝この人は仏さまの代わりになって、私の幸せのために導いてくれる〟と思われるように、手本になる行いをしなければなりません。この修行によって、法華経の意味が本当に身につくのです。これは、親になって初めてわかることです。
昨日の朝、五時四十五分から、藤原ていさんというご婦人のお話をラジオで聞きました。終戦記念日の前の日に、こんな素晴らしい話を耳にするとは、非常に不可思議な因縁だと思いながら、聞かせていただいたのです。
この藤原さんという方は、満州で終戦を迎え、教員だったご主人はソ連に抑留されてしまった。そこで生まれて一ヵ月の赤ちゃんを背負い、二人の子の手をひいて、困難と戦いながら朝鮮半島を歩いて縦断し、ようやく帰国されたのです。
それこそ言い表しようもないご苦労の連続で、いつか足の裏が厚くなり、どこを歩いても痛みを感じないまでになったとか、あるいは、途中、子供のない住民から「一人売ってくれ」と言われたりもしたそうです。そうした苦しみや誘惑にも、歯をくいしばって耐え抜いて日本に帰り着かれたのですが、この辛抱は、男には到底なし得ないことです。また、女性でも、子を持たぬ娘さんたちにはとても耐えられないことだと思います。母は強いのです。母親だからこそなし得たのです。