本日は、日蓮聖人さまが、池上本門寺におきまして最期になられ、永遠に変わらない不滅の魂となられた日でございます。その聖人さまの不滅の精神が釈迦牟尼仏のお言葉のように、「常に此に住して法を説く」と――仏のみ心とご一緒になって、法華経を行ずる者にご加護をくだすっておるわけであります。
日蓮聖人さまは、六十一年の生涯をこの法華経のために、「我身命を愛せず。但無上道を惜しむ」と、ご法に一切を捧げられたおかたです。
素晴らしい教化力をもった聖人
「大難四箇度、小難数知れず」と申しますが、例えば佐渡へ流罪になりました時にも、雪が深く気候の悪い佐渡からは一人もそのまま帰った人はいない、と言われるほど厳しい中にあって、阿仏房(あぶつぼう)に出会うのであります。切りつけようと大変乱暴な気持ちで寄ってきた阿仏房に、日蓮聖人さまは順々と説法をお聞かせになりました。すっかり感服した阿仏房は、ただちに帰依心を起こしたのです。このように、日蓮聖人さまのお徳に触れてご法門をお聞きしますと、ただちにお弟子になってしまうような、素晴らしい教化力を持っておられたのであります。
こうして、日蓮聖人さまのお徳は、たとえご法難があった所へも、皆お寺が建ったり、お聖人さまのお歩きになった所には、今日多くの信者さんがいらっしゃるのであります。
私どもが法華経に遇い奉ることができたということも、日蓮聖人さまのご遺徳によるものです。法師品には、十万億の仏を供養したその功徳によって人間として生まれるんだと示されてあります。
大きな大功徳が過去にあったということが、今世においてお経を読ましていただけるようになったという素晴らしいご縁で、ちゃんと結ばれているんであるということであります。