仏教者のことば20
われかならずしも聖にあらず、かれかならずしも愚にあらず、ともにこれ凡夫なるのみ
聖徳太子・日本(十七条憲法第十条)仏教者のことば21
人は阿留辺幾夜宇和という七文字を持(たも)つべきなり。
明恵上人・日本(栂尾明恵上人遺訓)仏教者のことば22
新しく興ってくる西洋の思想は総合性をめざしているから、この新しい要求を満たす材料を仏教の真理の蔵から選び出すことを、むしろ希望するであろう。
C・ハンフレーズ・英国(仏教・原島進訳)仏教者のことば23
才市やどんどこ、はたらくばかり。いまわ(は)あなたに、く(苦)をとられ、はたらくみこそ、なむあみだぶつ。
浅原才市・日本(妙好人浅原才市集)仏教者のことば24
この地上を全部牛の皮で覆うならば、自由にどこへでも跣足(はだし)で歩ける。が、それは不可能である。しかし自分の足に七寸の靴をはけば、世界中を皮で覆うたと同じことである。
河口慧海・日本(山田無文《手を合わせる》より)仏教者のことば25
仏法は功を用ゆる処なし。ただ是れ平常(びょうじょう)無事なり。
臨済禅師・中国(臨済録)仏教者のことば26
畏れとは、人間を越えたもの、絶対者--神や仏--に対する畏怖心。一方、水、空気、光に対する畏敬の感情です。近代化はこの畏れをなくする方向に進んだ。ドイツの哲学者ニーチェによって、「神は死んだ」と言われたわけです。
東昇・日本…仏教者のことば27
過去に法華経の行者にてわたらせ給えるが、今、末法に船守の弥三郎と生れかわりて、日蓮をあわれみ給うか。
日蓮聖人・日本(船守御書)仏教者のことば28
人のかくす事をあからさまにいう。
おしはかりの事を真実になしていう。
いきもつきあわせず物いう。
このんでから言葉をつかう。
学者くさきはなし。
良寛禅師・日本(…仏教者のことば30
人のかなしみ時には擔(にな)い
よろこびを人に送りて
みづからをむなしくはする
女人(にょにん)われこそ観世音ぼさつ
岡本かの子・日本(岡本かの子全集・九巻)仏教者のことば31
念仏の機に三品(ぼん)あり。上根は、妻子を帯し家に在りながら、著(じゃく)せずして往生す。
一遍上人・日本(一遍上人語録)仏教者のことば32
妄念のうちより申しいだしたる念仏は、濁(にごり)にしまぬ蓮(はちす)のごとくにして、決定(けつじょう)往生うたがいあるべからず。
恵心僧都源信・日本(横川法語)仏教者のことば33
ほんとうに正しい信仰をもって来るならば、自然と自分はどこへゆくのだと、はっきり行手(ゆくて)がわかってこなくてはならなぬ。仰ぎ、伸びる気持、「自分はあそこへゆくのだな」という、目のあいた気持です。
友松円諦・日本(法句経講義)仏教者のことば36
実際の体験ある人の書はみな読むに価いする。いわんや実際の体験による信仰を述べたものはなおさらのことである。
清沢満之・日本(近代の仏教者)