第二回世界宗教者平和会議〈ルーベン〉開会の挨拶
第二回世界宗教者平和会議仮議長 庭野日敬
第二回世界宗教者平和会議を開催するにあたり、至りませぬ私に開会の挨拶の機会を賜わりまして、有り難う存じます。
たまたま私が、第一回世界宗教者平和会議開催国の委員長を務めさせていただきました関係上、このような国際会議の準備や運営が、いかにたいへんなものであるかを体験しておりますだけに、本日のこの大会の日を迎え得ましたことを、衷心からお喜び申し上げます。
まず初めに、私どもは世界の国々から、この美しいベルギーの学都ルーベンに集い、第二回世界宗教者平和会議を開催するお手配を賜わりましたことを、神仏に対し奉り、心から感謝いたすものであります。また、このすばらしい会場を私どもに開放し賜わりました学校当局と、この会議の開催にあたりましてスーネンス枢機卿、バニステンデール氏、並びにルッカー博士、そしてベルギーとヨーロッパの国の宗教界の皆さまがたに、温かく私どもをお迎えくださいましたルーベン大学の関係各位に対し、心から皆さまと共に感謝を申し上げたいと存じます。
おもえば、一九七〇年十月、私どもは国境を越え、宗派の壁を越え、まさに世界宗教史上初の第一回「世界宗教者平和会議」を日本の京都において開催いたしました。そこにおいて私どもは、平和を阻害する問題について考え、宗教者は何をなすべきか、何をなし得るかについて語り合ったのであります。そして、この語り合いを通じて、互いの立ち場を理解し合い、友情を深め、さらに協力し合って世界平和のために努力することを誓い合ってきたのであります。
それよりはや四年の歳月がすぎ、その間、世界宗教者平和会議のメンバー達は、それぞれの立ち場で平和活動を続けてまいりましたが、戦火は依然として世界の各地に起こり、さらに人口、公害、石油や食糧をはじめとする資源の枯渇など、幾多の難問題が地球的課題として私どもに迫ってきております。
この解決にあたって、政治や経済の仕組みを変えなければならぬことはもちろんのこと、人類家族という意識の徹底と人間の貪欲に対する制御という内面の問題が、私ども宗教者に課せられた一つの使命であることは言を待ちません。
今こそ、私ども宗教者が心を一つにして平和への困難な道をすすんで歩まなければならない時がきているのであります。
人類が今直面しておりますさまざまな苦悩に対しまして、私どもは神の愛の具現化、仏の慈悲行の実践に、あるいはまた不正義との闘いに、力の足りなかったことを懺悔して、この会議に新たなる決意をもって当たることを神仏にお誓いするものであります。
ご静聴、まことに有り難うございました。
(ルーベン・カトリック大学マリア・テレサ・カレッジ大講堂で)
昭和四十九年八月二十八日