開祖さまご法話テキスト『求道』 1977年 
穂高青年研修センター落成式

  •  先ほど理事長が経過を話しましたように、この地に研修センターをつくることになって、今日は落成式を迎えたわけです。
     昔から「信は荘厳より」という言葉があります。道場でも、明るく、皆様が修行するに適した。さっぱりした、お金をかけないでつくることを考えているのです。宗教建築は、歴史上その当時の粋を集めたものでしたが、私どものものはそれにはほど遠いものです。
     設計は大沢さんにお願いしたのです。彼とはゴルフで知り合ったのですが、私どもの知らない世界を教えて頂きました。それで今度もお願いしたのです。今度は、青年が玄関を入ったら、ここへ入って勉強するのはうれしいな、という雰囲気が出るというようにしてもらいたいということでお願いしたのです。
     全国にある道場も、人の集まりよいような所に建ててあるのです。昔の仏教は、だいたい山の上に建てたものです。高い所に上ると冷静になるそうですが、しかし、あまり人が行けないのです。従って、今の日本の仏教の状態を見ると、仏教徒であるのに、宗教は何だと聞かれても答えられないとか、無神論だと言っているようです。外国の人は、無神論と言うと大変に警戒します。日本では、無神論を唱えると優勢な感じがしているのですが、二十世紀になって世界がたいぶ変わってまいりました。
     ヨーロッパなども、宗教に行き詰まって、二十一世紀を救うのは何かと、いま模索しているのです。トインビー博士が下さった手紙の中には、二十一世紀を救うものは儒教と仏教のミックスしたものだとありました。
     イギリスの聖公会のラムゼー博士は、第一回の(世界)宗教者平和会議にはおいでにならなかったのですが、その後、大聖堂に来て下さり、いろいろ問いをかけて下さったのです。その話の中で、ヨーロッパ先進国から教育や医療の補助を受けた日本ですが、今ではヨーロッパの宗教が行き詰まっていて、それは社会事業というごまかしでなくて、修行して神、仏になるという修行をするのが本当ではないかと思うと言われたのです。本質を社会事業でごまかしていたけれど、仏になる信仰をヨーロッパに教えてほしいと言われたのです。

  •  日本の仏教の使命がいよいよ大きくなっているのですね。外国にわかる宗教を表現するのには、今日までの既成仏教が一丸となって当らなければできないだろうということで、方々へお願いにまわって、そういう方向に行く準備ができてきました。
     日本はまわりに海があるということで、今日の時代になると、ものの考え方が外国に左右されないということになっています。儒教も入ってくると日本的になり、仏教も日本的になっています。儒教の影響も神道を通じて、すべてのものを崇めるということがしみわたっています。
     大乗仏教国は日本と言われています。大乗仏教でありますから、経典の最初の方に、「是の処は即ち是れ道場なり。諸仏此に於て阿耨多羅三藐三菩薩を得、諸仏此に於て法輪を転じ、諸仏此に於て般涅槃したもう」とあります。仏はこの裟婆に生まれて、ここで法を説いて、ここで大往生をとげたといっているのです。
     だから、私たちは仏様の真価を広めなければならないと考えておるのです。そして、この道場に、その使命があると考えているのです。
     今後、私どもの修行の仕方、発展ぶりが、これを設計された方、つくられた方、陰に陽に支えて下さった方々のご恩に報いることになると思うのです。(拍手)